2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線形拡散方程式系と関連する楕円型微分方程式系の研究
Project/Area Number |
15540216
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山田 義雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20111825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 光春 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30119656)
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
菱田 俊明 新潟大学, 工学部, 助教授 (60257243)
中島 主恵 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (10318800)
竹内 慎吾 工学院大学, 工学部, 専任講師 (00333021)
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Keywords | 反応拡散 / 内部遷移層 / スパイク / 定常解 / Morse指数 / 安定性 |
Research Abstract |
本年度集中的に扱った方程式は相転移現象を記述する半線形拡散方程式である。空間1次元に限定し,u_{t}=ε^{2}u_{xx}+u(1-u)(u-a(x)),0<x<1,をゼロNeumann境界条件下で考える。ただし0<a(x)<1である。拡散係数εが非常に小さいとき、関数値が0と1の間で急激に変化する内部遷移層や棘のような形状を示すスパイクを持つ解が興味の的である。このタイプの解について内部遷移層が現れる位置はa(x^*)=1/2をみたすx^*の近傍に限られ、スパイクが現れる位置はa(x_)が極値を取る点x_の近傍に限られることが知られている。当研究では、いかなる条件下で多重内部遷移層や多重スパイクが現れるか、またその形状はいかなるものか、についても詳しい結果を得ている。同一結果はAi-Chen-Hastingsらによっても最近得られているが、彼らの研究とは異なるアプローチを開発した。また定常解に関しては安定性も非常に重要な問題である。定常解uの安定性は、対応する線形化問題-ε^{2}v"+(3u^{2}-2(a(x)+1)u+a(x))v=μv,0<x<1,に関する負の固有値の個数(=Morse指数)によって調べられる。内部遷移層を伴う解の場合、遷移層が単一でしかもu'(x^*)a'(x^*)<0をみたすときのみが安定であり、その他のケースは不安定、かつMorse指数も解の形状から正確に導くことができる。スパイクを伴う解の不安定性についても満足できる結果を得ている。これらの結果は5th International Conference on Dynamical Systems and Differential Equations, Pomona, CA, June, 2004などの国際会議で発表した。
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Research Products
(10 results)