2005 Fiscal Year Annual Research Report
未知の定積分項を含む非局所非線形2階楕円型境界値問題の解の大域的構造と安定性
Project/Area Number |
15540220
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
岡 宏枝 (國府 宏枝) 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90251610)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
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Keywords | cross-diffusion / 半線形楕円型方程式 / 非局所 / 非線形境界値問題 / 周期境界条件 / Ginzburg-Landau equation / 正値球対称解 / 特異解 |
Research Abstract |
四ツ谷晶二の主な研究成果について説明する. 小杉・森田と共同でGinzburg-Landau equationに関する2件の論文を発表した.また,松本・村井と共同で,曲線に関する微分幾何学のひとつの未解決問題に解答を与え,イタリアのCENTRO DE RICERCA MATEMATICA ENNIO DE GIORGIで講演発表し,本の形(部分執筆)で刊行されている.さらに,柳田・森下と共同で,松隈方程式の特異解をも含む,すべての正値球対称解の構造を完全に決定した. 小杉・森田との共同研究成果について説明する.周期境界条件のもとで,超伝導現象を記述するGinzburg-Landau equationの定常解の大域的分岐構造を完全に解明したものである.この問題は,基本的で重要な問題であるにもかかわらず、従来は局所分岐理論を応用した局所的な分岐の存在が分かっていただけで、大域的な分岐構造の解明は不可能と思われていた.この論文においては、問題を未知の定積分項をもつ非局所非線形境界値問題に帰着し,それをさらに完全楕円積分を2重に含む超越方程式に帰着し,同時にすべての解を楕円関数を用いて書き下した.これをもとに,解の大域構造を明らかにし、数学的な厳密な証明を与えた.古典的な楕円関数論と現代的な計算機の数式処理能力を有効に融合した,画期的かつ独創的な研究である。このアイデアは、さらにいろんな問題に応用できる。画期的な論文である. 磁場の効果を考える場合は,2つのパラメータを含む分岐問題となるので,大域的な解の分岐構造それ自身の把握、さらにはその数学的な証明は,極めて困難となり、解明は全く不可能と思われていた。 しかしながら、定常解の大域的分岐構造については、前論文で開発されたアイデアがこの場合も有効であることに気づき完全解明できた。応用上大変重要な解の安定性も明らかにした。この研究は、極めて独創的な研究である。 柳田・森下との共同研究成果について説明する.原点で特異性をもちかつ無限遠方でslow-decayであるような解をも含む,すべての正値球対称解の構造を決定した.この問題は,基本的な問題にもかかわらず,未解決であったが,著者達が開発してきた構造定理を一般の境界条件の場合に拡張し,さらに巧妙な変数変換と組み合わせることにより構造を決定することができた.
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Research Products
(7 results)