2003 Fiscal Year Annual Research Report
毛細管現象を用いた次世代型硬X線偏光度検出器の基礎開発
Project/Area Number |
15540226
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
郡司 修一 山形大学, 理学部, 助教授 (70241685)
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Keywords | 硬X線 / 偏光 / 液体シンチレーター / キャピラリープレート / 毛細管現象 |
Research Abstract |
現在高エネルギー宇宙物理学の分野には、硬X線領域での偏光を精度良く測定できる検出器がない。そこで、現在我々は液体シンチレーターを散乱体としたイメージングが可能な硬X線偏光度検出器の開発に取り組んでいる。本研究で開発している散乱体は、キャピラリープレートと呼ばれる毛細管を束ねたものに、液体シンチレーターを毛細管現象で吸わせたものである。このプレートを散乱体として使用した場合、一つ一つのキャピラリーからの光がセパレートされて読み出せるため、どの位置で硬X線が散乱したかを調べることができる。 平成15年度は、まずこのデバイスを安定して製作する技法の確立に努めた。その結果、様々な液体シンチレーターを6マイクロメーター径のキャピラリーに毛細管現象で吸わせる事に成功した。また液体シンチレーターを封入する技術も確立した。そして、まずは中性子捕獲用の液体シンチレーターを毛細管現象でキャピラリープレートに封入し、これを光電子増倍管に取り付けて、中性子を照射した。中性子を照射した理由は、硬X線を照射するよりも、発光量が大きく、うまく動作しているかを確かめるのに向いていたためである。そして、液体シンチレーターが封入されたキャピラリープレートに中性子を照射した場合、液体シンチレーターを封入していないキャピラリープレートに中性子を照射した場合、液体シンチレーターが封入されたキャピラリープレートに何も照射しなかった場合の3通りで実験を行い、そのスペクトルの違いを調べた。その結果明らかに、液体シンチレーターを封入したキャピラリープレートに中性子を照射した場合だけ、有為な信号が受かった事を確認できた。 我々は、その実験結果をもとに特許の申請を行い、現在出願中である。 また、現在光電子増倍管の代わりに、マイクロチャンネルプレートを使い位置読み出しを行う事を計画している。
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