2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋作 一大 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00251405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 定矩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20114423)
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Keywords | 銀河 / 遠方宇宙 |
Research Abstract |
・可視の5バンド(B, V, R, i, zバンド)と近赤外の3バンド(J, H, K)で撮像された114平方分の天城のデータを用いて、赤方偏移が1以上にある赤い銀河の性質を調べた。赤い銀河は、比較的年齢が古く、且つ銀河種族全体の大きな割合を占めているため、銀河進化のモデルを検証するのに大変有効な銀河である。可視と近赤外の撮像データを組み合わせることで、赤方偏移が1以上の赤い銀河を取り出すことができる。 検出された247個の赤い銀河を調べた結果、赤方偏移が1.5より遠方では、赤い銀河の数密度が現在の宇宙での数密度に比べて有意に少ないことがわかった。また、検出された赤い銀河の多くは星形成を行なっていることもわかった。これらの結果は、いわゆる受動的進化モデル(赤い銀河は赤方偏移がおよそ3以上の昔に一斉に誕生し、その後は星形成を行なわずに受動的に進化したとするモデル)の予想とは異なり、比較的最近になって出現したことを示唆している。 ・すばる望遠鏡の主焦点カメラで得た可視の3バンドの撮像データ(Rバンド、iバンド、および、狭帯域のNB704バンド)を整約し、銀河のカタログを作った。この銀河カタログは約700平方分という広い天域をカバーしており、遠方銀河の統計的性質を調べるのに適する。このカタログから、赤方偏移が4.8付近にある星形成銀河(ライマンアルファ輝線銀河)を51個検出した。ライマンアルファ輝線銀河は、まだ進化の進んでいない原始的な銀河ではないかと思われている。これらの銀河の性質を調べることで、銀河の初期進化に対する知見が得られる。現在、これらの銀河の光度や天球分布を解析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shimasaku, K., Okamura, S.et al.: "Subaru Deep Survey, IV, Discovery of a Large-Scale Structure at Radshift【similar or equal】5"Astrophysical Journal. 586. L111-L114 (2003)
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[Publications] Miyazaki, My Shimasaku, K., Okamura, S. et al.: "Evolution of Elliptical Galaxies at Z【greater than or similar】1 Revealed from a Large, Multicolor Sample of Extremely Red Objects"Publications of the Astronomical Society of Japan. 55. 1079-1103 (2003)
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[Publications] Hamaya, T., Shimasaku, K.et al.: "Properties of host haloes of Lyman-break Galaxies and Lyman α Emitters from their Number Densities and Angular Clustering"Monthly Notices of the Royal Astronomical Society. 347. 813-823 (2004)