2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540233
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50221825)
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Keywords | 銀河 / 銀河形成 / 銀河進化 |
Research Abstract |
赤方偏移5(宇宙年齢約10億年の時代)における銀河の大規模系統探査を行った結果、約300個の候補天体を発見した。これは世界最大規模のサンプルである。本年度は、さらに撮像データを加える事によって、より精度の高いカタログを作成した。これを用いて、以下のような結果を得た。 ・光度関数の再計算を行い、これまでの我々の結果を確認するとともに、その精度を上げることに成功した。特に重要な点は、この結果が、一部で指摘されているような色選択基準の違いにはほとんど依存しないことを明らかにしたことである。この結果、赤方偏移5付近での宇宙における平均的星形成率は赤方偏移3、4のそれより少し小さいものの、まだ活発な星形成を行っている時代であることを明らかにした。 ・クラスタリングの大きさを評価した。その相関長さは、非常に大きく、時間が経つと近傍宇宙の銀河団規模の相関長になることが予想される。このことは、我々が発見した銀河団は、やがて大きな銀河団に成長していくような領域に存在していて大きな楕円銀河になる可能性を示唆する。 ・明るいものについての可視分光観測をすばる望遠鏡を用いて進めた。その結果、8つの銀河については、その赤方偏移が確認できた。(但し、一つはクエーサー。)非常に興味深いことに、これらの銀河におけるライマンα輝線は弱く、銀河内での吸収が大きいことが示唆される。また、その銀河の中での金属による星間吸収線も強いことがわかり、宇宙年齢10億年の時代でもそこそこの化学進化があることがわかった。このような結果は、赤方偏移が3付近(宇宙年齢20億年)でも見られるがその割合は小さいため、なんらかの進化を見ている可能性が高い。ただし、サンプル数が小さいので、来年度も観測を実施する。 ・X線源のカタログとも相関をとったところ、新たに2ないし4の対応天体候補がみつかった。今後分光観測で確認したいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Iwata, K.Otha, et al.: "Lyman Break Galaxies at z〜5 : Luminosity Function"Publ.Astron.Soc.Japan. 55. 415-432 (2003)
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[Publications] M.Akiyama, Y.Ueda, K.Ohta, et al.: "Optical Identification the ASCA Medium Sensitivity Survey in the Northen Sky : Nature of Hard X-ray Selected Luminous AGNs"The Astrophysical Journal, Suppl.Ser.. 148. 275-315 (2003)
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[Publications] N.Tamura, K.Ohta: "Color Gradients in Early-Type Galaxies in Abell 2199"The Astronomical Journal. 126. 596-631 (2003)
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[Publications] K.Ohta, M.Akiyama, Y.Ueda, et al.: "Optical Identification of ASCA Lynx Deep Survey : An Association of Quasi-Stellar objects and a Supercluster at z=1.3?"The Astrophysical Journal. 598. 210-215 (2003)
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[Publications] Y.Ueda, M.Akiyama, K.Ohta, et al.: "Cosmological Evolution of the Hard X-ray AGN Luminosity Function and the Origin of the Hard X-ray Background"The Astrophysical Journal. 598. 886-908 (2003)
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[Publications] C.watanabe, K.Ohta, et al.: "Near-Infrared Colors of Hard x-ray Selected Active Galactic Nuclei"The Astrophysical Journal. (印刷中). (2004)