2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540235
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
福江 純 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80173326)
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Keywords | 宇宙ジェット / 降着円盤 / ブラックホール / X線連星 / 活動銀河 / 特異星SS433 / 相対論的天体物理学 / 輻射流体力学 |
Research Abstract |
宇宙ジェットの加速に対して、初年度(平成15年度)では、ガス圧・輻射圧・磁気圧などさまざまな駆動力の効果を評価するために、幾何学的に薄い降着円盤の表面から吹き出す定常流モデルを構築した。続いて次年度(平成16年度)は、ガス降着率が非常に大きくて、降着円盤が放射圧優勢となり、幾何学的に厚い場合について、放射圧によって加速される軸上ジェットモデルを考えた。さらに最終年度である今年度(平成17年度)は、亜光速宇宙ジェットのモデルとして、相対論的輻射流の性質を注意深く検討した。 すなわち、輻射圧のみによってガスを駆動する流れ-輻射流-について、とくに相対論的な領域の特徴に注目して、丁寧に調べてみた。降着円盤を念頭に置き、平行平板の場合について、円盤面に鉛直方向の輻射流を調べた。重力、ガス圧、磁気圧、粘性加熱などの諸過程は、最初の段階では、簡単のために無視した。 輻射+ガスは、円盤の内部から発して、鉛直方向上向きに加速されていくわけだが、円盤表面では流れの速度が一般的に亜光速になりうるので、静止大気表面での境界条件は使えなくなる。そこで、大気が静止しておらず、上方に亜光速で運動している場合に対して、その表面での輻射場の境界条件を最初に求める必要がある。その結果、大気が運動している場合には、静止大気上空における最終速度(Icke1989によって、約0.45光速とわかっている)を超えることができることがわかった。 さらに明るい円盤の鉛直方向に加速される輻射流について、流れ基部での光学的深さなどのパラメータを与えた上で、流れの底での境界条件と表面での境界条件をきちんと与えて数値的に解析し、流れの構造および質量流出率(境界条件の固有値として得られる)などを光学的深さの関数として求めた。結果として、輻射流は従来の制限を超えて亜光速にまで加速されることがわかった。一方で、共動座標系におけるエディントン近似を用いた従来のモーメント定式化のもとでは、輻射流の最終速度は光速/√<3>を超えられないこともわかった。
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Research Products
(6 results)