2006 Fiscal Year Annual Research Report
近傍のわい小銀河と我々の銀河ハローの恒星の高分散分光による比較研究
Project/Area Number |
15540236
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
定金 晃三 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20110794)
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Keywords | わい小銀河 / 銀河の化学進化 / 高分散分光観測 / 恒星の化学組成 |
Research Abstract |
前年から継続して研究しているわい小銀河UMiの10個の赤色巨星の化学組成において、ナトリウム(Na)量がこの銀河では我々の銀河の金属欠乏星に比べて系統的に低いことを見出した。このことは、UMiわい小銀河の化学進化が特異なものであったことを意味しており、現在論文を作成中である。また、このわい小銀河の中でr-process起源の元素組成が異常に高いことを発見した星COS82において、赤色波長域にトリウム(Th)の吸収線の存在を確認し、その解析を完了した(論文印刷中)。 Sextansわい小銀河に属する星の観測は、2005年-2006年にすばる望遠鏡で挑戦したが天候に恵まれず良いデータが得られていなかったが、2007年1月末には好天に恵まれ、8個の赤色巨星のスペクトルデータを得ることが出来た。現在解析の準備中である。 2006年にはブラックホールを含む連星系(マイクロクエーサー)V4641 Sgrの伴星の高分散スペクトルデータの定量解析を完成した。同じく2006年2月に起きた再帰新星RS Ophのバーストの測光観測と分光観測を行い、測光観測から得た光度曲線の解釈の論文が出版された。現在、分光観測データの解析が進行中である。2005年末からBe星28 Tau(Pleione)の35年ぶりの新活動の測光と分光観測を継続中であり、この星に新しいガス円盤が形成されたことを確認した。
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Research Products
(6 results)