2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540250
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 博 茨城大学, 理学部, 助教授 (90250977)
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Keywords | 格子ゲージ理論 / カイラルゲージ理論 / カイラルアノマリー / ゲージアノマリー / 非摂動論的定式化 |
Research Abstract |
主に以下の五つの点に関する成果を得た。(1)カイラルなゲージ理論を格子上で定式化した際のCP対称性の破れに関する研究。我々は以前Ginsparg-Wilson関係式に基づいたカイラルゲージ理論の格子定式化がCP対称性を必然的に破ることを示し、定式化の中でこの破れのあらわれる部分を明らかにした。この研究をdomain wallによるカイラルゲージ理論の定式化に拡張し全く同様な結論を得た。(2)縮小模型(reduced model)におけるカイラルアノマリーの研究。我々は、以前、U(1) embeddingという方法を用いて、縮小模型における基本表現のフェルミオンの生み出すカイラルアノマリー、ゲージアノマリーについて解析した。ここでは、一般の表現に対して、U(1)embeddingで考察される配位のもとでのカイラルアノマリーをlarge Nの極限で評価した。(3)経路積分に基づいたボゾン化の方法に関する研究。2次元のボゾン化は、経路積分とその変数変換に伴うヤコビアンを評価することで得ることができる。が、従来、その議論には、ヤコビアンの評価法に対して微妙な点が存在することが指摘されていた。我々はここで、従来の議論に欠けていたものは何だったのかを明確にし、予想されるとおり、ボゾン化の物理的内容は確かに正則化の詳細によらないことを示した。(4)D格子ゲージ理論におけるWess-Zumino-Witten項の構成。Ginsparg-Wilson関係式を満たすirac演算子を元にすることで、Wess-Zumino-Witten項のトポロジカルな性質を格子理論の段階でも保存した定式化に成功した。これにより、Wess-Zumino-Witten項の性質を非摂動論的な枠組みの中で議論することを可能にした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuo Fujikawa, Hiroshi Suzuki: "Domain wall fermions and CP symmetry breaking"Physical Review D. 67. 034506 (2003)
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[Publications] Teruaki Inagaki, Yoshio Kikukawa, Hiroshi Suzuki: "Axial anomaly in the reduced model : higher representations"Journal of High Energy Physics. 0305. 042 (2003)
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[Publications] Kazuo Fujikawa, Hiroshi Suzuki: "Anomalies, local counter terms and bosonization"Physics Report. (出版予定). (2004)
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[Publications] Takanori Fujiwara, Kosuke Matsui Hiroshi Suzuki, Masaru Yamamoto: "Wess-Zumino-Witten term on the lattice"Journal of High Energy Physics. 0309. 015 (2003)
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[Publications] Kazuo Fujikawa, Masato Ishibashi, Hiroshi Suzuki: "CP breaking in lattice chiral gauge theory"Nuclear Physics Proceeding Supplement. 119. 781-783 (2003)
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[Publications] Kazuo Fujikawa, Hiroshi Suzuki: "Path integrals and quantum anomalies"Oxford University Press. 288 (2004)