2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540250
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 博 茨城大学, 理工学研究科, 助教授 (90250977)
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Keywords | 格子ゲージ理論 / アノマリー / カイラルフェルミオン / カイラルゲージ理論 / ゲージ対称性 |
Research Abstract |
近年明らかになったカイラルなゲージ理論のゲージ不変な格子定式化においては、粒子と反粒子を非対称に扱っており、CP対称性が明白ではない。この点に関してはHasenfratzらによって疑義が提出されていたが、我々はこの問題を解析し、CP対称性の破れが、積分測度の位相の適当な選択によってほとんど取り除きうること、そして破れの効果は2点関数の接合項のみにあらわれることを示した。次に、以前我々が指摘したreduced modelにおけるカイラルアノマリーの計算を、large Nの極限ではあるが、ゲージ群の表現が一般の場合に拡張した。また、最近の格子上のカイラルフェルミオンに関する進展にのっとって、格子上でのWess-Zumino-Witten作用を定式化し、その幾何学的性質を解明した。ここでは、連続理論でのWess-Zumino-Witten作用の持つトポロジカルな性質が、Ginsparg-Wilson関係式のおかげで格子上の理論でも保証されることを示した。また、従来、アノマリーの性質に基づいたボゾン化法の導出には微妙な点があると思われていたが、我々は局所性に基づく議論によって、この混乱の原因を完全に明確にした。次に、格子ゲージ理論におけるマヨラナおよびマヨラナフェルミオンの定式化に困難があることを指摘し、この困難がWittenのいわゆる大局的アノマリーと関係していることを示した。これら以外に、アノマリーのある系の量子化を格子正則化の観点から再考察し、Ginsparg-Wilson関係式に基づいた定式化では、アノマリーのある系を定式化することが一般に不可能であることを指摘したた研究、4次元の超対称なWess-Zumino模型を大域的対称性を保ったまま格子上で定式化する研究などを行った。
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Research Products
(7 results)