2004 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論とM理論における非摂動的ダイナミックスの研究
Project/Area Number |
15540256
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
風間 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60144317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 幸士 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80345074)
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Keywords | 超弦理論 / ピュアスピノル形式 / 超対称性 / ポアンカレ共変性 / 弦の場の理論 / ブレーン消滅 / タキオン凝縮 / 宇宙弦 |
Research Abstract |
風間は、超弦理論を超ポアンカレ共変に記述できる利点を持つ「ピュアスピノル(PS)形式」の基礎を明らかにする研究を続行し、以下の成果を得た。まず、良く知られたlight-coneゲージで量子化されたGreen-Schwarz(GS)形式とPS形式が量子論的に完全に等価であることを証明した。さらに最近、この証明の過程で明らかになった幾つかの構造の本質を追求することにより、発祥以来の懸案であったPS形式の根元的な作用の構築及びそれに基づいたPS形式の量子論的導出という基本問題の完全な解決に成功した。これはPS形式を既存のRNS及びGS形式と同等の論理的基盤に立つ第三の形式として確立する重要な結果であり、M理論と深く関係する超膜理論のPS形式の探求を含めてこれまで手探りで進められてきた幾多の研究の系統的発展の端緒を開くものである。 橋本は、弦理論の真空構造と、プレーンの生成消滅に関して、主に弦の場の理論の立場から研究を行なった。出版された論文"Boundary String Field Theory as a Field Theory-Mass Spectrum and Interaction"(JHEP0410(2004)040)では、境界弦の場の理論の作用が全ての弦のモードに関して書けることを初めて示し、摂動論の一致を見た。これは発行論文JHEP0406(2004)048においてブレーンの消滅に既に応用した。また、ブレーン消滅の物理を観測的に興味を集めている宇宙弦に応用し、プレプリントとして発表した(hep-th/0501031)。これらの結果はMod.Phys.Lett.A20(2005)79-94に招待論文として一部まとめられている。
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Research Products
(5 results)