2005 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論とM理論における非摂動的ダイナミックスの研究
Project/Area Number |
15540256
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
風間 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60144317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 幸士 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80345074)
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Keywords | 超弦理論 / 超共変的量子化 / ピュアスピノル形式 / 超膜理論 / Dブレーン(の生成消滅) / タキオン凝縮 / ソリトン構成法 / 宇宙ひも |
Research Abstract |
風間は、超弦理論の超共変的量子化を実現する新しい方法であるピュアスピノル(PS)形式の基礎についての研究を続行し、これまで未知であった基本的作用およびその対称性の構造を明らかにし、第一原理から完全に量子化されたPS形式を導出することに成功した。ここでの基本的アイデアは、従来のグリーン・シュワルツ形式の作用において、スピノル場の数を二倍にすると同時に、それによって生じた余分な自由度をうち消すための新たな局所的フェルミ対称性を導入するものである。このアイデアは11次元の超対称粒子に対しても有効であることから、さらにそれを長年の懸案である11次元超膜理論の共変的量子化の問題に適用する研究をおこなった。その結果、基礎となる、古典的レベルでの系のダイナミックスを支配する拘束代数を具体的に導出し、その構造を明らかにすることに成功した。 一方橋本は、前年度に引き続き、Dブレーンのダイナミクスの解明の研究を遂行した。このためには、場の理論のソリトンとDブレーンの間の詳しい関係を見極めることがひとつの重要なポイントとなる。今年度は、この関係を特にソリトンの構成論において深く研究した。インスタントン、モノポール、ボーテックスなどさまざまな次元の代表的ソリトンの構成法・自由度を、Dブレーンの生成消滅の機構(タキオン凝縮)から導出した。また、ボーテックスを宇宙論の宇宙ひもに応用し、Dブレーンの立場から宇宙ひもの組み替えの性質を解き明かすことに成功した。
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Research Products
(5 results)