2003 Fiscal Year Annual Research Report
陽子非弾性散乱を用いた中性子ドリップライン領域における核変形の研究
Project/Area Number |
15540257
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 隆司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50272456)
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Keywords | 不安定核ビーム / 中性子ハロー核 / 殻構造の変化 / 非弾性散乱 |
Research Abstract |
本研究では中性子過剰核を液体水素標的と衝突させ、第一2+励起準位を特定し、さらに励起エネルギー、角度分布、強度の解析から変形度を同定することを目的としている。特にドリップライン近傍で第一励起準位が非束縛領域に位置するため測定が困難であった領域(14Be等)を中心に研究を進める。陽子で励起された後の分解粒子の運動量測定から励起準位の質量を組む方法を取る。散乱角度は運動量ベクトル方向の精密測定によって行う。15年度はこの実験を実現させるため、1)散乱角度測定用のドリフトチェンバーの設計および製作、2)束縛準位測定による変形度特定法の開発の2点を重点的に研究した。 1)ドリフトチェンバーの設計、製作 荷電粒子の散乱角度を測定するためのドリフトチェンバーの設計、製作を行った。三次元的に粒子を検出するため、X(水平方向)用4面、U, V(斜め+-45度方向)2面ずつから成る構造にし、製作した。 実際に製作したものについて、出力シグナルを宇宙線やガンマ線ソースを用いてチェックを始めている。これまでのところ、問題なく作動している。今後、ビームによるチェックを行い、水素標的を用いた本実験を14Be,19Cについて行うことになっている。 2)15B+C,17B+Cの非弾性散乱実験 中性子過剰核15B,17Bの炭素標的による非弾性散乱を行い、束縛した第一励起状態の励起エネルギーをガンマ線の同時測定によって求めた。角度分布の解析からスピンの同定を行い、また、断面積から変形度を導出した。それらを殻模型と比較している。この解析方法は陽子の非弾性散乱にも応用可能である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Shimoura,..., T.Nakamura et al.: "Isomeric 0+ state in 12Be"Physics Letters B. 560. 31-36 (2003)
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[Publications] Y.Yanagisawa,..., T.Nakamura et al.: "The first excited state of 30Ne studied by proton inelastic scattering in reverse kinematics"Physics Letters B. 566. 84-89 (2003)
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[Publications] T.Nakamura et al.: "Coulomb Dissociation of Halo Nuclei"Nuclear Physics A. 722. 301c-307c (2003)
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[Publications] K.Yoneda,..., T.Nakamura et al.: "Beta-decay half lives and beta-delayed neutronmultiplicities of the neutron drip-line nuclei 19B, 22C and 23N"Phys.Rev.C. 67. 014316-014316-7 (2003)
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[Publications] N.Imai,..., T.Nakamura et al.: "Anomalously Hindered E2 Strength B(E2, 2+ to 0+) in 16C"Physical Review Letters. 92. 062501-062501-4 (2004)