2003 Fiscal Year Annual Research Report
Knee領域一次宇宙線観測のための空気シャワーコア検出器の開発
Project/Area Number |
15540260
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
柴田 槇雄 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50018016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片寄 祐作 横浜国立大学, 工学研究院, 助手 (90323930)
斎藤 敏治 東京都立航空高等専門学校, 電子工学科, 教授 (40259833)
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Keywords | Cosmic Rays / Composition / Knee / Proton Spectrum / Air shower |
Research Abstract |
1996年〜1998年に中国・チベットで行った空気シャワーとエマルションチェンバー連動実験によるknee領域陽子エネルギースペクトル観測の結果を基に、次期計画の準備を開始した。今年度は次の点で研究を進展させた。 1.モンテカルロシミュレーションにより、100TeV〜数1000TeV領域の陽子および原子核成分を観測対象とし、空気シャワーコア検出器のデザインスタディーを行った。鉛による高エネルギー電磁成分の増殖を効率的に計算するために、検出器のデザインに沿ったフルモンテカルロの結果に対する近似式を作成し、バーストサイズの高速計算を可能とした。この計算結果からバースト検出器に使用する鉛の厚さ、検出器間隔、バーストサイズの閾値などの最適な条件を検討する。その結果は3月末の日本物理学会第59回年次大会で報告予定である。 2.バースト検出器に用いるシンチレータおよび光電子増倍管(PMT)を選定し、その特性評価を現在実行中である。バースト検出器としては次の3つのタイプを検討している。1)大きさ40cmx50cmx5mmのプラスチックシンチレータに波長変換ファイバーをはわせ、3/4インチのPMTで信号を読むタイプ、2)従来からチベット実験で使用している厚さ4〜5cmのプラスチックシンチレータを四角錐型のボックスに入れ5インチのPMTを使用するタイプ。3)現在のバースト実験で使用している50cmx200cmのプラスチックシンチレータをそのまま使用し、PMTとフォトダイオードを併用するタイプ。1)については入射粒子による測定発光量の位置依存を測定した。信号読み出しでは、100粒子から10^6粒子のダイナミックレンジが必要となる。これを実現するため、浜松フォトニクスのR4125、R5325、R5611を購入し、2つのゲインのことなるPMTを用いた信号読み出しテスト、一つのPMTでアノードに加えダイノードからも信号を読み出すテストを行っている。これらの測定器を今年度中にチベットに設置し、テスト実験を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 柴田槇雄, 斎藤敏治他: "Primary proton spectrum around the knee deduced from the emulsion-chamber data obtained at Mts.Fuji and Kanbala"Astroparticle Physics. Vol.18. 637-648 (2003)
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[Publications] 柴田槇雄, 斎藤敏治, 片寄祐作他: "Automatic analysis of the emulsion chamber using the image scanner applied to the Tibet hybrid experiment"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A. (In press). (2004)
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[Publications] 柴田槇雄, 斎藤敏治, 片寄祐作他: "Primary proton spectrum in the knee region observed by the Tibet hybrid experiment"Proceedings of 28^<th> International Cosmic Ray Conference. HE1. 107-110 (2003)
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[Publications] 柴田槇雄, 斎藤敏治, 片寄祐作他: "Analysis of Emulsion Chambers in Tibet Hybrid Experiment Using the Image Scanner"Proceedings of 28^<th> International Cosmic Ray Conference. HE1. 753-756 (2003)