2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540262
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 克美 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (50242392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 尤二 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (50151262)
宗 博人 新潟大学, 理学部, 助教授 (20196992)
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Keywords | 繰り込み群 / 超対称性 / 正則化 / ゲージ対称性 / 格子理論 |
Research Abstract |
1)格子理論における超対称性の研究においては、いわゆる「市松格子」上での自由度の同定が重要となる。本年度、我々はこれまで認識されていなかったSO(2D)クリフォード代数の構造が格子上にあることを理解し、これに依拠して、staggered fermion、特に作用の運動項をすっきりした形式で理解するができた。これについての研究結果は、シカゴで開催された「LATTICE2004」(2004年6月)や基礎物理学研究所研究会「格子ゲージ理論の新しい発展と芽」(2004年12月)などで発表した。 2)Wilson有効作用に対するくりこみ群の発展方程式の理解を目指して以下の様な研究を行った。 (2a)以下にリストした論文では、Polchinski方程式とLegendre有効作用の発展方程式との対応関係を明らかにした。繰り込み群の発展方程式の研究はほぼ常に後者に依拠して行われている。一方、前者は理論の対称性が見易い。これら二つの取り扱い方法は本来等価なものであるはずである。理論の対称性を維持しながら繰り込み群の発展方程式を扱うという我々の目的にとって、二つの方法の関係を明らかにすることは重要である。論文では、有効作用のtree展開の枠組みに基づき、発展方程式のなかで、一粒子可約な寄与のなかから既約部分を生成するものを分離して、実質的にLegendre有効作用の発展方程式に現れる部分を取り出す処方を見いだした。 (2b)次の課題は、カイラル対称性などの大局的対称性について、通常の意味では対称性を保持しない正則化の下で新たな有効対称性を定式化し、この有効対称性を持つWilson有効作用を構成し、相互作用項を有限項に切断した作用に対するPolchinski方程式を解析することであった。この課題に関する結果は、基礎物理学研究所研究会「場の量子論の基礎的諸問題と応用」(2004年12月)でポスターによる発表を行い、現在、論文としてまとめている。
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Research Products
(2 results)