2005 Fiscal Year Annual Research Report
現実的クォーク模型バリオン間相互作用による軽いハイパー核の研究
Project/Area Number |
15540270
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 義和 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70199397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 憲一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70025493)
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
河野 通郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40234710)
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Keywords | クォーク模型 / バリオン間相互作用 / ストレンジネス / 共鳴群模型 / ハイペロン / ハイパー核 / Faddeev方程式 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現実的クォーク模型バリオン間相互作用であるfss2やFSSを用いて軽いΛハイパー核のFaddeev計算やBrueckner理論に基づく詳細なG-行列計算を行い、ハイパー核やハイペロン・核子相互作用の新しい実験データとの比較検討を通じて、より正確なハイペロン・核子相互作用やハイペロン・ハイペロン相互作用の理解を得ることである。具体的には、これまでの成果である二体クラスターRGM kernelを用いた三体クラスター方程式の定式化に基づいて、種々のハドロン系におけるFaddeev計算を行う。今年度は、まずfss2とFSSの改良の面で、スピン・アイソスピン因子の計算のためのアルゴリズムを改善することにより、全ての八重項バリオン間の相互作用に対して、アイソスピン基底と粒子基底の双方での計算が可能になった。粒子基底では、荷電、中性パイ中間子の質量の差やクーロン力等による荷電対称性の破れも採り入れている。特に、運動量表示のLS-RGMにおけるクーロン力の取扱いでは、cut-offがsharpでなくても僅かの改良によりVincent-Phatakの方法が使えることを明らかにし、fss2等におけるクーロン入りの位相差を0.01度以下の精度で安定して求めることが可能となった。またウェブでの公開に関しては、phpホームページへの変換(http://www.qmpack.homelinux.com/~qmpack/index.php)を行い、完全な粒子基底での八重項バリオン間相互作用の結果とfssGプログラムを公開し、オブジェクト指向の対話型ホームページの作成を目指して、まずNN相互作用でテスト運用を始めた。更に、二つのクラスター対に同時にパウリ禁止状態が存在する場合の3体クラスターFaddeev計算の例として、^9Beをααnクラスター模型で取り扱った。これは、2体RGM kernelを用いた3体Faddeev計算としては、^3H,_Λ^3H,_Λ^9Be,_<ΛΛ>^6Heにつぐ5番目の例である。
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