2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540275
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 透 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10135650)
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Keywords | ニュートリノ反応 / パイ中関子発生 / デルタ共鳴 |
Research Abstract |
本研究計画では、ニュートリノによるΔ_33共鳴領域のパイ中間子発生反応に対する中間子交換模型を構築し、これをニュートリノ-核子・重陽子反応に適用し研究を行う。本年度は、本研究の第1段階として、素過程であるp+v→l^-+π^++p反応の解析を行い、軸性ベクトル流結合定数g^<NΔ>_Aを得ることを目的とした。まず、電子線によるパイ中間子発生反応の研究に対して開発し、最近の実験データを非常に良く説明する中間子交換模型を、ニュートリノ反応へ拡張した。この際、軸性ベクトル流によるパイ中間子発生模型を、ユニタリ変換の方法を用いて構築した。この模型を用いて、ANL, BNLの実験によるニュートリノ反応のデータを解析し、軸性ベクトル流形状因子g^<NΔ>_Aの検討を行った。従来、軸性ベクトル流形状因子g^<NΔ>_Aは、クォーク模型の予言値に比べて30%程度大きい値が実験値を説明するために必要であるとさていた。今回の研究結果は、クォーク模型が予言するg^<NΔ>_Aを用いてデータが矛盾なく説明できることを示した。これは、非共鳴過程により、共鳴粒子の結合定数が繰り込まれる効果による為であり、我々が電子散乱の研究の際に見いだした効果と同様のものである。パイ中間子電子発生反応の場合と同様に、核子共鳴形状因子を研究する際に、非共鳴過程が大きな役割を果たすことが示され、ハドロンの自由度による反応理論に基づき研究を行うことの重要性が確認された。
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Research Products
(1 results)