2003 Fiscal Year Annual Research Report
クォーク模型から得られるバリオン間相互作用の短距離部分と原子核に現れるその影響
Project/Area Number |
15540289
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
竹内 幸子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (90251503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 清孝 上智大学, 理工学部, 教授 (00143363)
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Keywords | ハイパー核 / クォーク模型 / 逆散乱問題 / G行列 / パウリ排他律の効果 / ペンタクォーク |
Research Abstract |
この研究の目的は、正負パリティのバリオン単体系の励起状態と2バリオン系の性質を同時に記述できるようにしたクォーク模型を用いて、そこから得られた2バリオン間の相互作用の短距離部分について、特にそのオフシェルの振る舞いと非中心力部分の性質を中心に調べること、更に、その相互作用を用いて原子核およびハイパー核に対する構造計算を行い、クォーク模型から得られる相互作用に特徴的な部分がどの様な影響を核の性質に及ぼしているかを調べることにある。 本年度は、まず、クォーククラスター模型からバリオン間相互作用を求め、また、クォークに対するパウリ排他律による禁止状態のない系については、逆散乱問題の方法を用いて、散乱の観測量を再現する局所ポテンシャルを求めた。また、ANとΣNのチャネル結合を無視する近似の下で、G行列の方法を用いて核内での有効バリオン間相互作用を得、^4_ΣHe核の性質を調べた。その結果、この核では、クォークに対するパウリ排他律の影響が小さく、従って、相互作用の非局所性も小さいにもかかわらず、オフシェルに現れる非局所性の違いが観測できる程度の違いとなって束縛エネルギーに現れることがわかった。 更に、チャネル結合があり、禁止状態が現れる場合についても、エネルギーに依らないバリオン間相互作用を求める方法を開発し、現在、それから導いたG行列を用いてハイパー核の性質を調べている。 また、近年発見された、ストレンジネスが+1のバリオン、いわゆる、ペンタクォーク状態に対して、構成子クォーク模型の立場から予測計算を行い、インスタントンに起因するクォーク間相互作用を導入すれば、観測される様な軽い質量を再現できることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sachiko Takeuchi, Kiyotaka Shimizu: "Pauli-blocking Effect in a Quark Cluster Model"Nuclear Physics. A723. 408-426 (2003)
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[Publications] Takashi Nasu, Makoto Oka, Sachiko Takeuchi: "A Quark Model Analysis of the Charge Symmetry Breaking in Nuclear Force"Physical Review. C68. 024006(1)-024006(13) (2003)
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[Publications] M.Furuichi, K.Shimizu, S.Takeuchi: "Description of SU(3) S Wave and P Wave Baryons"Physical Review. C68. 034001-(1)-034001(15) (2003)
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[Publications] Sachiko Takeuchi, Kiyotaka Shimizu: "Nonlocality in the Quark-Model Induced Two-Baryon Potential"Modern Physics Letters. A18. 147-150 (2003)
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[Publications] M.Furuichi, K.Shimizu, S.Takeuchi: "Description of SU(3) S Wave and P Wave Baryons"Modern Physics Letters. A18. 362-365 (2003)