2004 Fiscal Year Annual Research Report
クォーク模型から得られるバリオン間相互作用の短距離部分と原子核に現れるその影響
Project/Area Number |
15540289
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
竹内 幸子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (90251503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 清孝 上智大学, 理工学部, 教授 (00143363)
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Keywords | ハイパー核 / クウォーク模型 / G行例 / パウリ排他律の効果 / ペンタクォーク |
Research Abstract |
この研究の目的は、正負パリティのバリオン単体系の励起状態と2バリオン系の性質を同時に記述できるようにしたクォーク模型を用いて、そこから得られた2バリオン間の相互作用の短距離部分について、特にそのオフシェルの振る舞いと非中心力部分の性質を中心に調べること、更に、その相互作用を用いて原子核およびハイパー核に対する構造計算を行い、クォーク模型から得られる相互作用に特徴的な部分がどの様な影響を核の性質に及ぼしているかを調べることにある。 本年度は、近年発見された、ストレンジネスが+1のバリオン、いわゆる、ペンタクォークに対して、構成子クォーク模型の立場から、前年度より詳しく調べた。まず、ペンタクォーク状態をクォーク4個と反クォーク1個よりなる複合粒子であると仮定する。通常のクォーク3体系、および、2バリオン系を記述できる上記のクォーク間相互作用を採用し、2クォーク相関の影響を取り入れたクォーク模型を用いて、ペンタクォークの質量、その中でのクォーク相関の強さと、クォーク相関がペンタクォーク崩壊に及ぼす影響を調べた。 その結果、負パリティ状態の中では一番軽い質量になると予想される全角運動量が1/2の状態は、クォーク相関の影響を加えても核子とK中間子の散乱状態との重なりが大きく、崩壊幅が非常に大きくなり、観測される狭いピークを説明できないこと、次に軽いと予想される全角運動量が3/2の状態は、崩壊にテンソル力が必要であることから崩壊幅が狭くなると予想され、観測される状態に対応する可能性があること等を明らかにした。
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