2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ振動実験の前置検出器を用いたニュートリノ原子核反応の研究
Project/Area Number |
15540299
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
作田 誠 岡山大学, 理学部, 教授 (40178596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 卓 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70290856)
早戸 良成 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (60321535)
中村 博樹 早稲田大学, 理工学部, 助手 (40350483)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 原子核反応 |
Research Abstract |
K2K(つくば-神岡)実験の前置ニュートリノ検出器では、準弾性反応(ν_μn→μ^-p)、非弾性反応、中性カレントπ^0生成反応等が多く測定されている。本研究は、これらをより精度良く測定すると共に、そのために必要なニュートリノ原子核反応を過去の電子原子核反応のデータと整合するように理解し、より精度の良いニュートリノ原子核反応計算法を確立することである。その結果として、K2Kニュートリノ振動の解析の精度を向上し、2乗質量差Δm^2をより正確に決定することを目標とした。現在素粒子物理学を牽引しているニュートリノ物理の発展に寄与する研究である。 作田は、中村、関やパスコスと共同し、準弾性反応や共鳴生成の計算の開発を行い、論文に発表した(論文リスト1,2)。早戸は、ニュートリノ反応のモンテカルロ計算を行い、比較検討を行った(論文リスト3)。K2K実験においては、ニュートリノ振動を99.995%で確立する論文を完成させた。これらの結果には、石田他の前置検出器でのニュートリノエネルギー分布の解析が生きている。このように、2004年には、スーパーカミオカンデ実験は大気ニュートリノ振動結果の精度を上げて確認し(論文リスト4)、K2K実験は、ニュートリノビームを使いニュートリノ振動を99.995%で確認し、ここに2-3世代間のニュートリノ振動は確立した。本研究は、十分に当初の目的を達成できた。 これらの成果を元に、2005年9月には、作田は分担者と協力し、第4回ニュートリノ原子核反応の国際会議を学術振興会日本-イタリア共同セミナーとして岡山大学で主催する。
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Research Products
(6 results)