2003 Fiscal Year Annual Research Report
Cu-Ga-Zn正二十面体相準結晶中フェイゾンのHuang散乱による決定
Project/Area Number |
15540306
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 昌弘 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (10029738)
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Keywords | 準結晶 / 正二十面体相 / フェイゾン / X線回折 / 散漫散乱 / Zn / 電子線回折 |
Research Abstract |
正二十面体相準結晶の散漫散乱分布の異方性や温度依存性を詳細に広い温度範囲で実験的に研究し,それによりフェイゾンの形や種類の解明することである。今年度は,理論計算のHuang散乱の正二十面体準結晶への適用は進み,好みの面内での実験結果と直接比較できる計算図形を書かせるプログラムはほぼ完成した。 Cu-Ga-Zn正二十面体相準結晶の作成から行っているが,準結晶の完全度がすごくいいためか,軸立てに手間どっている現状である。 ラウエ写真の結果,従来のAl-Pd-MnやAl-Cu-Feとは異なり観測軸が,数度ずれただけで,ラウエ写真から対称性は発見できず,想像以上にP型正二十面体相と従来のAl-Pd-MnやAl-Cu-Fe等のF型正二十面体相の差が大きく大変である。 したがって,もう一つの研究である光電子分光の実験を行い,次のような興味深い結果を得た。 (1)Cu-Ga-Zn-Mg正二十面体相準結晶は,Fermi面近傍に深さ0.6幅0.2eV程度の偽ギャップが存在する。 (2)一方Cu-Ga-Zn近似結晶はFermi面近傍に偽ギャップが存在しない。 次年度は,この結果を踏まえて,Cu-Ga-Zn正二十面体相準結晶中の散漫散乱実験を行う予定である。計算結果によると正二十面体相準結晶中のHuang散乱には立方晶中において観測されるHuang散乱と同じく,3種類の独立なものがあり,現実の散漫散乱はこの3種のHuang散乱各々では説明できないことがわかった。特にランダムフェイゾンもこの置換型欠陥の一種と考えられるが,ランダムフェイゾンのような欠陥はそう単純でないと思われる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Kashida, Y.Watanabe, T.Hasegawa, H.Iida, M.Mori, S.Savrasov: "Electronic Structure of Ag2S Band Calculation and photoelectron Spectroscopy"Solid State Ionics. 158. 167-175 (2003)