2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しいタイプの量子ホール効果のブレークダウンのメカニズム
Project/Area Number |
15540310
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
音 賢一 千葉大学, 理学部, 助教授 (30263198)
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Keywords | 量子ホール効果 / ブレークダウン / 2次元電子系 / 閉じ込めポテンシャル / 電流分布 / ポテンシャルゆらぎ / 活性化エネルギー / 高易動度 |
Research Abstract |
量子ホール効果のブレークダウンの臨界電流が試料線幅に対して対数的に変化し、その臨界電流値が通常観測される値に対して1〜2桁も小さい値を示す新しいタイプの量子ホール効果のブレークダウン現象のメカニズムを明らかにすることを目的として次のような実験を行った。 (1)GaAs/AlGaAs2次元電子系試料の、端に付けたサイドゲートを用いて電子の閉じ込めポテンシャルを変化させたときの整数量子ホール状態でのブレークダウン現象を調べた。ブレークダウンが線幅に比例する、しない両方の試料共に試料端の閉じ込めポテンシャルはブレークダウンにほとんど影響しないことが確認された。 (2)試料端の影響のないコルビノ形状で、ブレークダウンを調べ、バルクの2次元電子系としてのブレークダウン臨界電場を求めた。ブレークダウン電流が線幅に比例するタイプの試料では、形状に寄らずブレークダウン臨界電場が求まるのに対して、比例しないタイプの試料ではコルビノ形状でも試料サイズにより臨界電場が変化することが分かった。 また、光照射により、2次元電子系の感じるポテンシャルゆらぎを変化させたときのブレークダウンの変化も合わせて調べた。 以上の結果から、量子ホール状態のブレークダウンの性質には、通常半導体の評価に用いられる「電子易動度」などのパラメータには直接現れない電子系の均一性をはじめとする様々な情報が含まれていることが確認された。特に、近年半導体結晶の品質が非常に向上しており、むしろ新しいタイプの(線幅に比例しない)ブレークダウンを示す試料の方が多くなっているものと考えられ、今後、高電子易動度ディバイスの評価応用の可能性も追求する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Oto, T.Tsubota: "Bulk Nature of Sub-linear Width Dependent Breakdown of Quantum Hall Effect"Physics E. (印刷中). (2004)
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[Publications] K.Arai, S.Hashimoto, K.Oto: "Local electron density near the 2DES boundary formed by side-gate voltage in the quantum Hall regime"Physica E. (印刷中). (2004)
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[Publications] Ken-ichi Fujii, Kunihiko Tasai, Tyuzi Ohyama, Kenichi Oto: "Microwave response of electrons in a quantum ring"Physica E. (印刷中). (2004)
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[Publications] Y.Sugimoto, S.Takaoka, K.Oto, Y.Ohno, S.Shimomura, S.Hiyamizu: "Cyclotron resonance in corrugated lateral superlattices"Physica E. (印刷中). (2004)
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[Publications] K.Arai, S.Hashimoto, K.Oto, K.Murase: "Spatial distribution of edge states in the quantum Hall plateaus investigated by magnetocapacitance"Phys.Rev.B. 68. 165347-1-165347-5 (2003)
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[Publications] Y.Sugimoto, S.Takaoka, K.Oto, T.Saku, Y.Hirayama: "The influence of electron-electron interactions on cyclotron resonance in subband-Landau level coupling systems"Solid State Communications. 127. 629-634 (2003)
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[Publications] Y.Sugimoto, S.Takaoka, K.Oto, Y.Ohno, S.Shimomura, S.Hiyamizu: "Cyclotron resonance of ultrashort-period lateral superlattices"Solid State Communications. 127. 671-675 (2003)