2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540322
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
大野 宣人 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20194251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 哲 大阪女子大学, 理学部, 教授 (10027708)
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Keywords | フッ化物発光材料 / 真空紫外 / フッ化物結晶 / 希土類不純物 / Tl型不純物 / 遷移金属不純物 |
Research Abstract |
平成15年度に引き続き、平成16年度では導入したフッ化物専用結晶作製炉を整備し、改良を加えながら、これを用いてフッ化物試料の作製を試みた。これらの作製試料について、発光・励起スペクトル測定を主とした光学的評価を行った。 以前より研究を行っているPrおよびEuを添加したNaGdF_4の焼結体試料を、導入した結晶作製炉を用いて作製条件の最適化を行った。これらの試料について分子科学研究所極端紫外光実験施設(シンクロトロン放射光実験施設)で実験を行った。2005年3月に埼玉大学で行われた応用物理学関係連合講演会でその成果を発表した。また、TbおよびEuを添加したNaGdF_4の焼結体も同様に作製し、上記の実験施設で行った実験の結果を昨年11月に奈良市で行われた国際会議(Rare Earths 2004, Nara, JAPAN)において発表した。さらに、新たに3価のTl型不純物であるBiに注目し、Biを添加したNaYF_4の作製も試みた。この試料についても同様な評価を行い、この試料が真空紫外領域においてBiによる強い吸収を示すなど、真空紫外用の発光材料として応用できる可能性を示唆する結果もすでに得ている。この結果は、2005年7月に中国・北京で開催予定の国際会議(14^<th> Int.Conf.on Luminescence)にて発表の予定である。 また、フッ化物の単結晶試料の作製にも前年度に引き続き取り組んだ。作製する試料の母体結晶としては単純なNaCl型構造をとり融点が比較的低いNaFを選び、この結晶にTlの添加を試みた。ハロゲン化アルカリ結晶にTlを不純物として添加するためには、原料にTlClなどのハロゲン化物を微量混合するのが一般的であるが、Tlのハロゲン化物は蒸気圧が高く、結晶育成中に容易に飛散してしまうことがわかった。この材料に最適な不純物添加法を現在検討中である。
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