2004 Fiscal Year Annual Research Report
量子臨界点近傍における重い電子系超伝導体のフェルミ面研究
Project/Area Number |
15540337
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Research Institution | Department of Engineering Physics, Electronics and Mechanics, Graduate School of Engineering, Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大原 繁男 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60262953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 功 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80094267)
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Keywords | 重い電子系超伝導体 / 非磁性高圧力セル / 非フェルミ液体 / 量子臨界点 / 磁化 / 電流磁気効果 / 複合極端条件 |
Research Abstract |
平成16年度は(1)量子臨界点近傍物質Ce_2Mn_8(M=Co,Rh,Ir)の純良結晶育成条件の追求、(2)高圧力下磁化測定用圧力セルの設計製作、(3)量子臨界点近傍物質Ce_2MIn_8(M=Co,Rh,Ir)の磁化および電子輸送現象への圧力効果測定を行った。 (1)重い電子系超伝導物質Ce_2MIn_8(M=Co,Rh,Ir)について良質単結晶の育成を目標とし、常圧で超伝導を示すCe_2CoIn_8についてInフラックス法による結晶育成を行った。いろいろに条件を変えて育成を試みた結果、これまで試料への混入が問題であったCeIn_3およびCeCoIn_5がまじらない結晶育成温度条件を見いだした。結晶の大きさ、質の改善は十分ではないが、Ce_2CoIn_8の本質的な性質を測定しうる結晶の育成に成功したといえる。また化学気相法による結晶育成を行うため、温度勾配を有する電気炉を製作し、現在結晶育成を試みている。 (2)既存のSQUID磁束計で測定することができる圧力1.5GPaまでの非磁性圧力セルを製作した。 (3)重い電子系超伝導体Ce_2CoIn_8について、結晶の良質化が困難であったため、当初の目標である高圧力下におけるdHvA効果測定をいったん先に送り、平成15年度に完成させた加圧装置および高圧力セルを用いて、温度1.5-4.2K、磁場8Tまで、圧力3GPaまでの複合極端条件下における電流磁気効果測定、および、温度1.5-10K、磁場5Tまで、圧力1GPaまでの磁化測定を行った。細かい圧力制御をおこなった詳細な測定を行うことができた。重い電子系超伝導体Ce_2CoIn_8の非フェルミ液体的な振る舞いの圧力による増大など、低温における磁性と伝導の関わった電子輸送現象について明らかにすることができた。この結果については,現在、論文をとりまとめている。
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