2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540342
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川上 則雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10169683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 昌久 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90335373)
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Keywords | フラストレーション / 電子相関 / 遍歴電子 / 量子揺らぎ / 遷移金属 |
Research Abstract |
遷移金属酸化物の中でフラストレーションの強い相関電子系を対象として、スピン・電荷・軌道の自由度がもたらす物性を系統的に研究した。 3.縮退ハバード模型における軌道選択型モット転移: 金属遷移化合物の「軌道選択モット転移」の研究を継続し行った。特にSr_2RuO_4にCaを置換した物質の第II相では、異なる軌道間の混成が重要であることが知られている。動的平均場近似を用いて、軌道依存型のモット転移について調べ、上記物質で観測されている重い電子的な振る舞いをうまく説明することができた。また、スピンと軌道自由度によるフラストレーション効果で金属相が安定化されることも示した。 1.近藤絶縁体における磁場誘起相転移: モット絶縁体とは対照的に近藤絶縁体では、スピン励起にもギャップが存在する。後者に磁場を印加したときの量子相転移について調べた。磁場に誘起された反強磁性相に加え、相転移付近に重い電子が生じることを示した。この結果を高温超伝導体でのホール効果の類似性について議論した。 2.YVO_3におけるフラストレーション効果と量子液体状態 化合物YVO_3では軌道フラストレーションにより「自発的な低次元化」が引き起こされ、3次元系が低温で有効的に1次元のスピン・軌道系で記述される。この系におけるフント結合による量子相転移の性質を密度行列繰り込み郡微で調べた。特に、スピンの1軸異方性により、多彩な量子相転移が生じることを示した。
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Research Products
(6 results)