2004 Fiscal Year Annual Research Report
セリウム六硼化物における隠れた秩序と近藤効果への磁性イオン添加効果の研究
Project/Area Number |
15540345
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
世良 正文 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40196978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 秀樹 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60295467)
伊賀 文俊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60192473)
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Keywords | 多重極秩序 / 近藤効果 / 四重極相互作用 / 八重極相互作用 / CeB_6 / IV相 / 結晶場 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
典型的な高濃度近藤物質でもあるCeB_6が奇妙な相転移を示すとして注目されたのは1970年代後半のことであるが,四重極,八重極相互作用,多重極子のゆらぎの存在などその本質が明らかになってきたのはごく最近のことである。一方,この物質にLaを添加することにより出現する奇妙な新しい秩序相の発見という新たな進展があり,その秩序変数をめぐって,八重極秩序の可能性も議論されるなど現在盛んに研究されている。本研究ではCe_xR_<1-x>B_6(R=La,Pr,Nd)単結晶についての詳細な研究を行い,以下のことが明らかになった。(1)Nd置換とPr置換とで秩序状態への影響の及ぼし方が全く異なる。CeとPrは強く結合するが,CeとNdとの結合は非常に弱いことが熱・輸送特性の測定から明らかになった。これに伴い,秩序状態での近藤効果もPr,Nd置換で大きく異なり,Pr置換系では速やかに壊れるのに対し,Nd置換系では近藤状態は反強磁性秩序状態にあってもほとんど影響を受けない。(2)Ce_<0.7>Pr_<0.3>B_6で出現するVI相で中性子散乱とX線散乱とが異なる波数ベクトルで秩序化することを発見した。これは希土類元素では本来非常に強いはずのスピンと軌道の分離を意味する可能性がある。(3)La添加系IV相への磁性イオン添加で奇妙な相が出現することを発見した。(4)Ce_xR_<1-x>B_6の熱起電力の系統的研究から,近藤効果とRKKY相互作用の競合について新たな知見を得た。
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Research Products
(7 results)