2003 Fiscal Year Annual Research Report
二次元ランダム系の一電子波動関数の非指数関数的局在
Project/Area Number |
15540366
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
合田 正毅 新潟大学, 工学部, 教授 (60018835)
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Keywords | 二次元 / 不規則系 / 指数関数的局在の消失 / スケーリング理論 / 厳密な理論 / 数値的な検証 / リャプノフ指数 / 正の最小リャプノフ指数 |
Research Abstract |
本研究は、厳密な解析的計算に出来るだけ依拠して、二次元ランダム系のスケーリング理論(仮説)の「一電子波動関数はランダム性がいかに弱くとも指数関数的に局在する」との主張の可否を明らかにしようとするものである。二次元帯状の自由空間にランダムにデルタ関数型ポテンシャルをおいた特殊なモデル(Azbelモデル)については既に指数関数的局在の消失を示唆する結論が得られていたが、その結論は波動関数の絶対値の二乗の減衰解の最大リャプノフ指数に関するある不等式の存在を前提としていた。 本研究では、(1)これらの議論を標準的な二次元強結合ランダム系で再構築し、また(2)存在を前提としている不等式の数値的な検証を行なうこと、を目的としている。 (1)については、ほぼ計算が出来ており、Azbelモデルについてのそれよりもはるかにあいまいさの無い結果を得ている。例えば、この系は自由度が最初から有限なので、自由度のカットオフは不要であり、また電子状態の取るエネルギーは単一バンドを構成しているので、ウムクラップ過程は最初から考える必要が無い。 (2)に付いてはまだ予備段階ではあるが、波動関数の絶対値の二乗の減衰解の最大リャプノフ指数に関する不等式の存在を肯定する数値計算の結果を得た。 それらの結果を合わせて(A)2003年秋の日本物理学会(岡山大)と、(B)10-th Int. Conf. Hopping and related phenomena (Trieste, 2003)で発表するとともに、(C)Physica Status Solidiに論文を公表した。
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Research Products
(1 results)