2004 Fiscal Year Annual Research Report
n次元空間における拡散律速凝集体のフラクタル次元の数値解析と統計力学的意味づけ
Project/Area Number |
15540373
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本庄 春雄 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (00181545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 英継 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (90192591)
桂木 洋光 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (30346853)
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Keywords | 拡散律速凝集体(DLA) / フラクタル / 非線形・非平衡系の統計力学 / 散逸構造 / Tsallis統計力学 / 拡散場中の形態形成 |
Research Abstract |
拡散律速凝集体のフラクタル次元と空間次元との関係を物理的に明らかにするためには、ランダムウォークが擬集体に付着するダイナミックスを明らかにする必要がある。そのため、昨年度は付着確率分布の統計力学的意味づけを数値解析から調べた。 拡散律速凝集体のダイナミックスを研究する場合、ランダムウォークの付着の振る舞いを空間的に調べるのが定石である。一方、フラクタルの研究は写像関数を定義することによって数学的に研究する方法もある。そのような着眼から我々はすでに2次元の拡散律速凝集体の縮小率を得ているが、その立場をさらに発展させるため、今年度は、ランダムウォークが拡散律速凝集体に付着した場合の凝集体を1次元数列で表現する新たな手法を考案しその意味づけを探った。得られた主な成果は次の通りである。 1.拡散律速凝集体に限らず、凝集体が成長する倍の時間変化を1次元数列で表現する方法を考案した。その表現方法は付着する粒子に付着時刻(順番)の離散時間を与え、付着される凝集体の右隣にその付着粒子を置く、という方法である。このことによって、凝集体が成長するたびに右に伸びる1次元数列を得ることが出来る。 2.例として、Vicsekのフラクタル図形にこの方法を適用し、フラクタル次元がこの1次元数列からどのように得られるかを明らかにした。 3.2次元の拡散律速凝集体にこの1次元数列表現を適用して、フラクタル次元がどのように表現されるかを調べた。拡散律速凝集体は明確な縮小写像関数が無くランダムさが導入されているため統計的な解析が必要になってくる。
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Research Products
(3 results)