2003 Fiscal Year Annual Research Report
バルクおよび薄膜における高次のスピン間相互作用を持つ競合スピン系の臨界現象の究明
Project/Area Number |
15540378
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
村岡 良紀 有明工業高等専門学校, 共通専門, 助教授 (60229953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 治利 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 助教授 (00280488)
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Keywords | 競合スピン系 / ANNNI model / A3NNI model / モンテカルロシミュレーション / 高次のスピン間相互作用 / 部分無秩序状態 / 臨界指数 / フーリエ係数 |
Research Abstract |
平成15年度は、3次元競合スピン系として、2タイプのAxial Next-Nearest-Neighbor Ising (ANNNI) modelおよびAxial Third-Nearest-Neighbor Ising (A3NNI) modelの拡張モデルに対して、モンテカルロシミュレーションを用いた数値計算を行った. 1)ANNNI model with alternating intralayer interaction これまでの分子場近似およびメトロポリス法を用いたモンテカルロシミュレーションの結果から、このモデルの秩序状態の1つとして部分無秩序状態が出現することが明らかにされている.この部分無秩序状態への相転移に対する高次のスピン間相互作用の効果を明らかにするため、このモデルの部分無秩序状態への相転移を記述する秩序パラメーターを変調構造のフーリエ係数に基づいて新たに定義し、これを非平衡緩和法を用いたモンテカルロシミュレーションにより調べ、転移温度・臨界指数を精度よく決定した. 2)S=1 A3NNI model with three-site four spin interaction UNi_2Si_2において報告されている波数k=1/3変調構造から反強磁性構造への相転移を説明するモデルとして、高次のスピン間相互作用を持つ競合スピン系を提案した.メトロポリス法を用いたモンテカルロシミュレーションにより変調構造のフーリエ係数等の温度依存性を数値計算することにより、波数k=1/3変調構造から反強磁性構造への相転移が起こることを示した.また、比熱等の計算結果はこの相転移が1次転移であることを示唆しており、ヒストグラム法を用いたモンテカルロシミュレーションにより相転移の次数など調べる必要がある.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Kasama, T.Shimamoto, Y.Muraoka, K.Okada, T.Idogaki: "Partially disordered states of the three-dimensional ANNNI model"Physica B. 329-333. 1061-1062 (2003)