2004 Fiscal Year Annual Research Report
原子BECおよび希薄量子気体における準保存量の探究
Project/Area Number |
15540381
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡辺 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60210902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 一雅 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80221828)
森下 亨 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20313405)
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Keywords | BEC輸送問題 / アト秒光原子課程 / 低温分子イオン / 移動度 |
Research Abstract |
(渡辺)本年度はGP方程式解法用コードの効率化と最適化を行ない、超球座標法による解析と比較からBECの基準振動を検討し、以下の手順でコード開発とBEC操作のシミュレーションおよび評価を開始した。モスクワのKurchatov InstituteのTolstikhin博士と共同で数値解析を実施した。 1.森下バージョンのBEC時間発展コードを用いて実験現場で要求される幾何学的条件の再現。 2.幾何学的な位相の効果をBECの具体的な輸送問題との関連から数値解析の一部実施。 3.位相差から発生する2個のBEC間の非断熱遷移による効果の吟味。 (森下)3電子系の研究に続き、本年度は、電子相関効果がより重要となる4電子励起状態に関しての動径相関についての研究を行った。まず、電子相関効果を取り入れるのに都合のよい超球座標系で、固有関数を効率よく計算する手法を開発して、多電子励起状態の固有関数の構造が見通しよく分類できることを見出した。また、中空原子の生成・崩壊のメカニズムを深く理解するために、時間に依存する外場中での多電子励起状態の研究を発展させた。ごく最近、パルスの時間幅が数百アト秒(1アト=10^<-18>)の超短パルスレーザーが実現された。パルス幅と同程度の時間スケールである中空原子状態について、実時間で分析することが可能であると考え、予備的な計算を行い、中空原子の集団運動モードが、このようなアト秒パルスによって実時間でプローブできることを理論的に示した。 (大槻)基底状態とは分離して観測されたO_2^+の準安定励起状態^4II_Uの移動度を古典軌動計算により求めた。得られた結果は実験を極めて良く再現した。また、今年度は波束の時間発展法を用い、量子計算を行った。波束が分子イオンに接近するにつれO_2^+の回転準位が励起され、He原子がO_2^+に一時的に吸収される様子が再現された。これらから、Heガス中での分子イオンの移動度低下の機構はレーザー冷却の原理と同じであると考える。
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Research Products
(6 results)