2005 Fiscal Year Annual Research Report
階層間相互作用モデリングによる非平衡開放系プラズマ構造形成ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
15540386
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
林 隆也 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60156445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 英昭 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (40280599)
水口 直紀 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (70332187)
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Keywords | プラズマ / 核融合 / 緩和現象 / 突発現象 / 計算機シミュレーション / 球状トカマク |
Research Abstract |
広範囲にわたる時空間特性をもつプラズマの挙動解明の手段として、新たな計算機シミュレーション手法の開拓をめざして本研究を遂行した。プラズマには大きく異なる特性時空間スケールの現象が含まれるが、その物理特性はある程度スケール分離された階層構造を持っている。本研究では、従来の階層毎の個別のモデルを用いるのではなく、異なる階層間の空間・時間スケールを一貫して矛盾なくとくことを志向した新しいモデリングによる計算機シミュレーション手法の開発し、それをプラズマ中の構造遷移現象の解析に適用した。本年度は、爆発的現象を伴うプラズマ緩和現象の例として、球状トカマクプラズマに生起する周辺部不安定性に注目して、その詳細な物理過程の解析を行った。従来の抵抗性MHDモデルに加え、有限ラーマ半径効果を含むドリフトモデルを用て解析した。MHDモデルが取り扱う時間・空間スケールは、実験的特性スケールと比べると速くて短いが、ドリフトモデルではそれを補って適当な時空間領域を扱いつつ、MHDモデル・シミュレーションに合理的な形で取り入れることが可能である。シミュレーションコードを開発して実行した結果、通常のMHDモデルと比べて、モード構造の回転の影響により、特に線形長波長モードが抑制されること、および主に短波長モードで決定される非線形時間発展が、殆ど影響を受けないこと等を確認した。また実験結果との詳細な比較により、実験結果をよく説明するような、特徴的なフィラメント上の圧力構造の形成、プラズマの熱エネルギーの系外への対流的な損失、圧力分布の再形成による内部モードの再不安定化、等を確認した。これらの成果は論文の形にまとめ、また夏に行われた国際会議(プラズマ数値シミュレーション国際会議)および秋に行われたワークショップ(日米球状トカマク会合)にて成果発表を行った。
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Research Products
(2 results)