2006 Fiscal Year Annual Research Report
階層間相互作用モデリングによる非平衡開放系プラズマ構造形成ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
15540386
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
三浦 英昭 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (40280599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 直紀 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (70332187)
|
Keywords | 構造形成 / 数値シミュレーション / 2流体モデル / 圧力駆動型不安定性 / 球状トカマク / ELM / バルーニングモード / 適合格子法 |
Research Abstract |
異なる時空間特性をもつプラズマの挙動解明の手段として、新たな計算機シミュレーション手法の開拓をめざした研究を遂行した。今年度は、過去3年間にわたり開発してきた手法を具体的な現象に適用したシミュレーションを実行した。対象としたのは球状トカマク(ST)における周辺局在モード(ELM)の崩壊相で、ELMの原因の一つとされるバルーニングモードの非線形時間発展をMHDモデルおよびドリフトモデルを元にした数値シミュレーションにより追跡し、そのダイナミクスを観察した。また、バルーニングモードと並び他の原因とされるピーリングモードについても調べ、両者の非線形ダイナミクスの差異を明らかにした。計算結果は、バルーニングモードの非線形発展の様子が、ELMにおけるフィラメント構造の形成・分離過程とその時間尺度、等、実験的に観測されている大規模ELMの諸特性をよく再現した。また、その過程において、トーラス内部磁場と外部磁場との間に生じる磁気リコネクションが、プラズマの対流的損失を誘起することが新たに明らかになった。ドリフトモデルによる検証では、イオン反磁性効果が大きいほど、短波長成分の成長が抑えられることにより、線形モード構造に変化が生じること、しかしながら、トロイダル・モードカップリングにより、非線形段階におけるフィラメント構造の形成過程には影響があまり現れないこと、等が明らかになった。一方で、ピーリングモードの場合には、モードの変位構造がバルーニングモードのそれとは異なり、非線形段階においても顕著なフィラメント構造が現れず、モードの飽和レベルも低いことが明らかになった。成果は10月に行われた国際会議(国際原子力機関核融合エネルギー国際会議)にて発表された。 上記の他、圧力駆動型不安定性に起因するモード成長の不安定性に起因する現象の普遍性を調べるため、ヘリカル型装置についてもMHDシミュレーションを行い、球状トカマク・ヘリカル型装置問での現象の類似性を調査した。この結果は、イタリアで開催された国際ワークショップで発表された。
|
Research Products
(5 results)