2003 Fiscal Year Annual Research Report
低温消磁と交流消磁による斜交非履歴性残留磁化理論の構築
Project/Area Number |
15540407
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
綱川 秀夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40163852)
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Keywords | ARM / 岩石磁気 / 古地磁気 / SD / PSD / MD / 低温消磁 / 交流消磁 |
Research Abstract |
古地磁気学において頻繁に利用されている非履歴性残留磁化(ARM)は、通常、交流磁場とバイアス直流磁場を平行にして試料に与えている(平行ARM)。本研究では、直流磁場が交流磁場と直交あるいは斜交するARM(直交ARMあるいは斜交ARM)を理論的かつ実験的に解明し、その応用をはかることを目標とする。本年度は以下のことを行った。 (1)直交・斜行ARMの単磁区磁性粒子試料の実験的研究 (1)磁気シールドケースに収めた平行・直交・斜交ARM付加装置を製作し、実験で使用した。実験結果から、ARM用2軸コイルによる磁場直交性は89.7°、各々の磁場強度は0.872μT/mA、1.17μT/mAと校正された。 (2)MD粒子成分が20-30%ある火山溶岩を用いて、平行・直交・斜交ARMの付加実験を行った。予察的実験では交流消磁としてタンブラーシステムを使用したが、本年度実験ではタンブラーの使用・不使用の両条件下でおこなった。さらに、ARM段階獲得実験をあわせて行った。 (3)上記試料について斜交ARM(OARM)の直流磁場に関する線形性を確認した。 OARM(AF,DC1,DC2)=OARM(AF,DC1,0)+OARM(AF,0,DC2) AF:交流磁場、DC1:コイル1による直流磁場、DC2:コイル2による直流磁場 (2)低温消磁装置の設計 次年度実験の準備として、低温消磁装置の設計・試作をおこない、機能・動作に問題ないことを確認した。 (3)単磁区磁性粒子の直交・斜交非履歴性残留磁化(ARM)の理論的研究 単磁区磁性粒子群の平行ARMの数値シミュレーションプログラム開発を行い、基本的なコードを完成した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mochizuki, N., Tsunakawa, H., others: "Palaeointensity study of the Oshima 1986 lava in Japan : implications for the reliability of the Thellier and LTD-DHT Shaw methods"Phys.Earth.Planet.Inter.. (in press). (2004)
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[Publications] Mochizuki, N., Tsunakawa, H, others: "K-Ar ages of the Auckland geomagnetic excursions"Earth Planets Space. (in press). (2004)