2005 Fiscal Year Annual Research Report
月・惑星探査用遠隔2次イオン質量分析法に関する基礎実験
Project/Area Number |
15540412
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency/Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
田中 孝治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙情報・エネルギー工学研究系, 助教授 (90321570)
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Keywords | 遠隔SIMS / 質量分析 / 氷探査 |
Research Abstract |
月面および惑星表面探査手法として、特に月面永久影の領域に存在すると考えられている氷探査を主目的とし、遠隔SIMSを用いた探査法を考案し、その可能性評価のために本研究を行っている。本手法はイオン銃と質量分析計を搭載した着陸機を用い、イオン銃から月惑星表面を照射し、発生した二次イオンを質量分析する手法である。本手法により極めて高い検出感度で月惑星表面に存在する元素分析を行うことができると考えている。 本年度は、月面環境を模擬した条件での2次イオン生成を評価するため、多孔質セラミックを用いた冷却ターゲットを用い、真空下で氷を作り、各種条件で水の質量スペクトルの取得を行った。イオンガンから発生する一次イオンビームのパラメータを変化させた時の二次イオン発生量への影響を評価した。一次イオンのエネルギーが異なる場合の一次イオンビーム量への依存性に関しては、エネルギーが高いほど2次イオン生成量が大きくなるが、より低いイオンビーム量で2次イオンの生成量が飽和することが分かった。イオンビームのエネルギーに関しては、500〜700Vで増加が少なくなり、プラトー領域が観測されているが、バックグランドが増加する領域で、スペクトルパターンも大きく変化することがわかった。 今回の一次イオンビームの電流量に関する依存性に関しては、10mA程度まで実験を行ったが、電流量を増加させた際に真空チャンバ内の真空度も低下してしまい、ターゲットの帯電の影響と考えられている2次イオンビーム量飽和の現象解明が課題として残った。
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Research Products
(1 results)