2003 Fiscal Year Annual Research Report
気候条件の変化に伴う熱帯降水システムの特性変化の研究
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15540418
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高薮 縁 東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (10197212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青梨 和正 気象庁気象研究所, 予報研究部・主任研究官
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Keywords | 熱帯降雨観測衛星 / TRMM降雨レーダー / TRMMマイクロ波放射計 / 降雨特性解析 |
Research Abstract |
平成15年度は、(1)熱帯降雨観測衛星の降雨レーダーデータ(PR2A25)を約100kmスケールのボックス単位で統計し、降雨強度・降雨面積・降雨頂高度・層状雨面積比.層状雨降水量比の5つのボックス統計量によって、メソスケールボックス単位の降雨特性を表現した。層状雨比を横軸とした降雨頂別降雨量ヒストグラムにより、降雨頂や層状雨比によっていくつかの降雨タイプが特徴づけられることを示した。(2)(1)のメソスケール降雨特性統計を用いて、3ヶ月毎・緯度経度2.5度格子毎に卓越する降雨要因(降雨タイプ)を特定する手法の基礎構築を行った。本年度の段階では、次の7タイプの卓越降雨に分類できた:Type1.夕立の雨(陸)、Type2.浅い雨(陸)、Type3.温帯低気圧に伴う雨(陸)、Type4.大規模組織化の雨(陸)、Type5.浅い雨(海)、Type6.温帯低気圧に伴う雨(海)、Type7.大規模組織化の雨(海)。今後、地形性の雨と海陸循環に伴う雨についての詳細な扱いを加えること、および、「大規模組織化の雨」グリッドは正しく捕らえられているかについて検討することが必要である。また、降雨タイプ別に降雨特性解析および降雨量解析を行い、降雨タイプ分けの検証と定量化を進める予定である。(3)降雨レーダ(PR)とマイクロ波放射計(TMI)データを組み合わせて降雨特性の解析を行う準備として、PRとTMIとの100kmスケールのマッチアップデータ作成手法を構築し、サンプルデータを作った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Aonashi, K., N.Yamazaki, H.Kamahori, K.Takahashi, F.Liu, K.Yoshida: "Variational Assimilation of TMI Rain Type and Precipitation Retrievals into Global Numerical Weather Prediction"Journal of the Meteorological Society of Japan. Vol.82. 671-693 (2004)
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[Publications] Shige, S., Y.N.Takayabu, W.-K.Tao, D.E.Johnson: "Spectral Retrieval of Latent Heating Profiles from TRMM PR Data. Part1 : Development of a Model-Based Algorithm"Journal of Applied Meteorology. (Accepted). (2004)
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[Publications] Kikuchi, K, Y.N, Takayabu: "Equatorial circumnavigation of moisture signal associated with the Madden-Julian Oscillation(MJO) during boreal winter"Journal of the Meteorological Society of Japan. Vol.81. 851-869 (2003)
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[Publications] 高薮 縁: "気象研究ノート第204号「モンスーン研究の最前線」 第2章:モンスーンの季節内振動"日本気象学会. 41-67 (2003)