2005 Fiscal Year Annual Research Report
接触変成作用を受けた泥岩の有機地質学的及び鉱物学的研究
Project/Area Number |
15540431
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
氏家 良博 弘前大学, 理工学部, 教授 (50151858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 正敏 弘前大学, 理工学部, 教授 (80125442)
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Keywords | 接触変成作用 / 堆積岩 / 有機物 / 有機熟成作用 / 珪酸鉱物 / ビトリナイト反射率 / 花粉の明度 |
Research Abstract |
中新統温湯層が、流紋岩岩脈及び安山岩岩脈に貫入されて接触変成作用を受けている露頭を、青森県南津軽郡大鰐町鯖石及び森山で発見し、その周辺地域の地質調査を実施してきた。さらに室内実験により、貫入岩による接触変成作用の影響を、有機炭素含有量、ビトリナイト反射率(Ro)、花粉の明度(statistical Thermal Alteration Index:略称stTAI)、ビジュアル・ケロジェン組成及び珪酸鉱物組成等の変化を利用して調べた。 温湯層に含まれる有機物の含有量・組成・熟成度全てにおいて、岩脈に近いほど接触変成作用による有機熟成が進行し、岩脈からの熱の影響を強く受けている。Ro対stTAIダイアグラムでは、接触変成作用による有機熟成は、続成作用による有機熟成経路とは異なる経路で進行する。この熟成経路の相違は、続成作用と接触変成作用における時間と温度のスケールの相違、およびRoがstTAIよりも温度に対して敏感であることにより生じると推定した。 自生の珪酸鉱物の変化を調べると、鯖石では全ての試料で石英を産出する。森山では全ての試料でオパールCTを産出し、オパールCTの(101)面間隔は変化していない。以上の様に、鯖石、森山両地域とも、接触変成作用による影響は珪酸鉱物には認められない。 これらの研究成果の一部は、2005年6月に東京で開催された石油技術協会講演会、7月に高知で開催された有機地球化学会講演会、9月に京都で開催された地質学会講演会においてそれぞれ公表した。また、「地球科学」59巻、5号、313-322頁に一部の研究成果を公表した。
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Research Products
(1 results)