2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南極,エンダビーランドの原生代塩基性貫入岩類の古地磁気学的研究
Project/Area Number |
15540434
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 尚人 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (30202964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船木 實 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (10132713)
|
Keywords | 古地磁気 / 東南極 / 原生代 / 塩基性貫入岩 / 超大陸 |
Research Abstract |
東南極,エンダビーランドの原生代塩基性貫入岩類の試料に対して以下の結果を得た。 (1)古地磁気測定 ・57地点中,17地点から安定な低消磁段階成分,21地点から安定な高消磁段階成分を得た。 ・低消磁段階成分の平均方位は,偏角15.8°,伏角-74.5°。最近の地球磁場による二次的な磁化成分と考えられる。 ・NE系岩脈(約19億年前)からは,偏角SW,伏角正の成分と偏角SW,伏角負の成分が特徴的である。 ・N-S系岩脈(約12億年前)からは,伏角正で,偏角N〜Wの成分が得られた。 (2)熱磁気分析 主たる強磁性鉱物は,マグネタイト。15地点の試料でピロタイトが認められた。 (3)交番磁力計による磁気パラメータ測定 磁性鉱物粒子の磁区は疑似単磁区から多磁区と推定される。 (4)帯磁率異方性測定,薄片観察 変形が顕著に認められるものがあり,そのような試料には,異方性度が1.3を超えるものが多数。 以上の結果から以下の結論を得た。 ・磁気的異方性度との比較から,異方性度1.3以上の試料,異方性度1.2以上で磁気的ホリエーションとの関連性が認められる試料からの高消磁段階成分の平均方位は,磁気的異方性の影響を受けている可能性がある。 ・初生的磁化成分の可能性がある成分の平均方位として,以下の平均方位を得た。 N-S系岩脈:偏角-44.4°,伏角66.0° NE系岩脈:偏角-119.5,伏角-36.4°,偏角-119.8°,伏角39.1° ・これらの平均方位から得られる古地磁気極は,オーストラリアから得られている約12億年前,19億年前の古地磁気極とは,東南極-オーストラリアのゴンドワナ配置では一致しない。異なる大陸配置の可能性を示唆する。
|
Research Products
(1 results)