2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子系統解析からさぐる放散虫の形態進化と分子進化-地理的隔離と平行進化に焦点をあてて-
Project/Area Number |
15540449
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
高橋 修 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20242232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 明洋 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教授 (40222103)
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 教授 (00183947)
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40199914)
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Keywords | Polycystinea / Acantharea / Spumellaria / Nassellaria / 18SrDNA / 分子系統 / 放散虫 / 系統樹 |
Research Abstract |
真核生物内での放散虫の系統関係を調べた57種データセットでは,Polycystinea綱はAcantharea綱と単系統を形成し,Phaeodarea綱はPolet et al.(2004)の結果と同様に,Cercozoaに属する種とともに単系統を形成した.Phaeodarea綱については,遊走子の鞭毛の数や殻の形態的な特徴など,Cercozoaに属する種との類似性が見られること(Polet et al.,2004),また,Polycystinea綱については,Acantharea綱の殻と同成分のSrSO4を含む遊走子をつくることや共生藻を持つことなど,Acantharea綱との類似性が指摘されている(Anderson,1983). 一方,Polycystinea綱とAcantharea綱の系統関係を調べた29種データセットでは,Polycystinea綱Spumellarida目の群体性と無殻単体性種は同じくPolycystinea綱のNassellarida目と,Spumellarida目のうちの有殻単体性種はAcantharea綱とそれぞれ単系統を形成した. 群体性および無殻単体性種のSpumellarida目は三叉状の骨針を細胞質内に持っているが,この三叉状の骨針はNassellarida目の内部基本骨格に類似している.また,Spumellarida目の有殻単体性の骨格は,Acantharea綱の放射状の骨格と類似している.これらの形態的特徴の類似性は,18SrDNAによって示されるPolycystinea綱(Spumellarida目)の側系統の関係を支持しているものと考える.
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Research Products
(3 results)