2003 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下における地殻深部岩石のP波およびS波速度測定
Project/Area Number |
15540457
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石川 正弘 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (70232270)
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Keywords | P波速度 / S波速度 / 地震波 / 高圧 / 高温 / 地殻 / 岩石物性 |
Research Abstract |
地震波速度パータベーション(速度異常)やP波/S波速度比(Vp/Vs比)構造から、地殻内部におけるメルトおよびフルイドの分布を評価するためには、中・下部地殻に相当する温度圧力条件下において岩石のP波速度とS波速度を精確に測定することが非常に重要である。本研究では、(1)本研究ではピストンシリンダー装置を用いて、岩石のP波速度とS波速度測定を最大圧力1ギガパスカル1000℃の高温高圧条件で測定を行った。弾性波速度測定にはピストンシリンダー型高温高圧実験装置を用いた.本装置で円柱形のコアを上下から圧縮し,高温高圧状態を再現した.パルス透過法およびパルス反射法で岩石試料中を弾性波が伝播する時間を計測し、試料の弾性波速度を決定した.実際に測定した岩石試料は一の目潟捕獲岩のハンレイ岩類、丹沢深成岩類(トーナル岩類)、コヒスタン島弧下部地殻岩石(ノーライト・グラニュライト)を主な対象とした。(2)島弧地殻深部構成岩石のVP/Vs比やポアッソン比をサブソリダス条件および部分溶融条件で測定した。(3)また、温度がP波・S波速度などに及ぼす影響(速度低下率)を検討した。その結果、温度増加に伴う速度減少率は岩石種によって異なる特徴を示し、サブソリダス条件下にもかかわらず400-600℃以上で著しく速度低下することが認められた。(4)本研究では、島弧地殻深部と同等な温度圧力下での弾性波速度を測定できるような弾性波速度測定装置の開発したので、地震学的研究で得られた東北日本や伊豆小笠原弧で観測された地震波速度と直接対比可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kanao, M., Ishikawa, M., Yamashita, M., Kamimuma, K., Brown, L.D.: "Structure and evolution of the East Antarctic Lithosphere : Tectonic Implications for the Development and Dispersal of Gondwana"Gondwana Research. 7. 31-41 (2004)
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[Publications] Kitamura, K., Ishikawa, M., Arima, M.: "Petrological model of the northern Izu-Bonin-Mariana (IBM) arc crust : constraints from high-pressure measurements of elastic-wave velocities of the Tanzawa plutonic rocks, central Japan"Tectonophysics. 371. 213-221 (2003)
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[Publications] Y.Kaneko, I.Katayama, H.Yamamoto, K.Misawa, M.Ishikawa, H.U.Rehman A.B.Kausar, K.Shiraishi: "Timing of Himalayan ultrahigh-pressure metamorphism : sinking rate and subduction angle of the Indian continental crust beneath Asia."Journal of metamorphic Geology. 21. 589-599 (2003)
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[Publications] 石川正弘: "パンアフリカン造山帯の下にリソスフェアはあるのか?"月刊地球. 288. 480-484 (2003)
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[Publications] 金尾雅紀, 石川正弘: "先カンブリア・クラトンの深部構造-グローバルレビュー"月刊地球. 288. 475-479 (2003)
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[Publications] 石川正弘: "太古代グラニュライト片麻岩帯の起源"月刊地球. 285. 201-205 (2003)