2004 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下における地殻深部岩石のP波測度およびS波速度
Project/Area Number |
15540457
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Research Institution | NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 正弘 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (70232270)
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Keywords | 高温高圧 / P波速度 / S波速度 / 地殻 / 弾性波 / 岩石物性 / 高圧物性 |
Research Abstract |
地震波トモグラフィーから、日本列島の地殻構成岩石や地殻内流体分布を明らかにするためには、中・下部地殻に相当する高温高圧条件下において岩石のP波速度とS波速度を精確に測定することが不可欠である。本研究では、 (1)岩石のP波およびS波速度を高温高圧下(最高800-1000℃、1.0GPa)で測定する装置を開発した.この成果の一部はKono, Ishikawa & Arima (2004)によって国際学術雑誌Geophysical Research Lettersに掲載された. (2)さらに,島弧地殻深部構成岩石のVp/Vs比をサブソリダス条件で精密に決定し,温度がP波・S波速度やVp/Vs比などに及ぼす影響(速度低下率、Vp/Vs比の変化)を検討した。 (3)上記データを用い、地震学的研究で得られた東北日本や伊豆小笠原弧で観測された地震波速度・地震波速度パータベーション・Vp/Vs比との対比を行い、東北本州の島弧地殻内における岩石不均質分布やメルトの分布を限定地域で明らかにした。この成果の一部はNishimoto, Ishikawa, Arima & Yoshida (2005)によって国際学術雑誌Tectonophysicsに掲載された. これまで、高圧下にける地殻構成岩石のP波・S波速度測定の実験温度条件が最大400-600℃であり、島弧下部地殻の温度と比べかなり低温条件下での測定しか行われておらず、地震学データとの対比が困難であった。しかし本研究によって800-1000℃の高温領域での岩石のP波・S波速度測定法が開発され,地殻深部における地震学データとの直接対比が可能となった.
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Research Products
(7 results)