2005 Fiscal Year Annual Research Report
沈み込み帯形成最初期のマグマ形成過程:オマーンオフィオライトを例として
Project/Area Number |
15540458
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石川 剛志 静岡大学, 理学部, 助教授 (30270979)
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Keywords | オマーンオフィオライト / 島弧 / 火山岩 / ボニナイト / 微量元素 / 同位体 / 地球化学 / マグマ |
Research Abstract |
1.単斜輝石斑晶・メタモルフィックソールの分析 グラファイト原子吸光法による単斜輝石斑晶の微量元素分析を行い,熱水変質を受ける前の火山岩の微量元素組成を推定した。また,これらの火山岩の組成に対比させるため,メタモルフィックソールの全岩微量元素組成も測定した。その結果,推定されたボニナイトの組成と,メタモルフィックソールから推定されたスラブ流体の組成にはK,Rbに対してBaが乏しいなどの点で高い類似性が見られることが明らかになった。 2.同位体比の分析 新鮮なAlley火山岩類のPb,Sr,Nd同位体比の分析を行った。その結果,Alley火山岩類のSr同位体比は,スラブ流体とマントルとの混合で見事に説明できること,Nd同位体比の変化を説明するためには,スラブ中の堆積物の寄与が必要であることが明らかとなった。ただし,推定されたスラブ流体のSr同位体比(0.7078 at 95Ma)は現世の通常の海洋性島弧で推定されているものよりもかなり高く,その成因については今後の研究が必要である。 3.データの解析とまとめ メタモルフィックソールから推定されたスラブ流体をマントルに加えて部分融解させたときに生じるマグマの微量元素組成の計算値と。低Pb安山岩,ボニナイトの組成が類似していることを明らかにした。このことから,これらのAlleyマグマは,角閃岩相のスラブから放出された流体によって汚染されたマントルウエッジが部分融解して生じたというモデルをまとめ,論文として公表した。また,マルチコレクターICP質量分析計を用いたPb同位体比の精密測定法についても論文にまとめ,投稿し,受理された。
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Research Products
(3 results)