2003 Fiscal Year Annual Research Report
マントル条件下での融体・ガラス・ゲルの構造転移と局所構造変化
Project/Area Number |
15540460
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉朝 朗 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00191536)
|
Keywords | マントル条件温度圧力 / 融体の構造 / ガラスの構造 / ゲルの構造 / 構造転移 / 局所構造の圧力変化 / 配位数の圧力変化 / EXAFS法 |
Research Abstract |
地球マントルの温度圧力条件化での、結晶と融体間の元素の分配、熱輸送のプロセスなどは、地球の形成や惑星内部のダイナミクスに影響を与える。しかし、元素の挙動に大きく影響する不規則系の圧力・温度変化に伴う構造変化は十分には理解されていない。 本研究では、地球・惑星内部の高圧・高温条件下でのケイ酸塩やそのアナログ物質のゲルマン酸塩の融体・ガラス・ゲルの局所構造変化を、現在の最高レベル技術を用いたX線吸収微細構造(EXAFS)測定実験法により決定する。 GeO2を多量に含む融体は高温の基での加圧下では局所構造が、相転移点が定義できるような急激な構造変化をする事を初めて明らかにした。融体の局所構造変化が急激であるのに対し、結晶固体やガラス、ゲルは異なった挙動をとることを明らかにした。石英型結晶相は加圧により10GPaで非晶質化しGeの配位数が6配位に変化する。減圧過程では8GPaまで、6配位を保ち、常圧まで徐々に4配位Ge原子が増加することで、原子間距離が減少する。このように加圧と減圧で大きなヒステリシスが観測される。GeO2ガラスは、8GPa付近から10GPaにかけて配位数の増加があり、ヒステリシスは観測されるが、結晶相で観測された物ほど顕著ではない。GeO2ゲルは、ガラスと異なった配位数変化を示す。2GPaから徐々に配位数の上昇が見られ、12GPaにおいても全てのGeは6配位にならず、4配位や5配位が残っている。比較的自由に構造を変えうるゲルでさえもヒステリシスが観測されている。このように、不規則系での局所構造変化は大きく構造や含水量に依存することを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] O.Ohtaka, A.Yoshiasa他: "Pressure-induced polymorphic phase transition in liquid alkali-GeO2"Phys.Rev.Lett.. (accepted).
-
[Publications] A.Yoshiasa, M.Okube 他: "XAFS study of A-site-deficient La0. 63Ti0. 92Nb0. 0803 perovskite"Physica Scripta. (accepted).
-
[Publications] M.Okube, A.Yoshiasa他: "XAFS study of the perovskite-type proton conductor SrZr0. 9Yb0. 103-d"Physica Scripta. (accepted).
-
[Publications] A.Nakatsuka, A.Yoshiasa 他: "vanadate garnet, Ca2NaMg2V3O12"Acta Cryst.. C59. i133-i135 (2003)
-
[Publications] H.Okudera, A.Yoshiasa, 他: "Determination of crystallographic space group and atomic arrangements in oxide-ion-conducting Nd_<9.33>(SiO_4)_6O_2"Z.Kristallogr.. 219. 29-31 (2004)
-
[Publications] A.Yoshiasa 他: "Detailed structures of hexagonal diamond (lonsdaleite) and wurtzite type BN"Jpn.J.Appl.Phys.. 42. 1694-1704 (2003)