2003 Fiscal Year Annual Research Report
希ガス同位体分析に基づく分化隕石と未分化隕石のつながりの解明
Project/Area Number |
15540464
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 弥生 東京大学, 地震研究所, 助手 (90282730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 敬介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40131619)
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Keywords | 希ガス同位体 / 隕石 / オーブライト / コンドライト / 分化隕石 |
Research Abstract |
未分化隕石(=コンドライト隕石)と分化隕石(および地球を含む惑星)の関連を希ガス同位体研究の立場から明らかにしたいと考え、それぞれの隕石種に含まれる希ガスの本質的特徴を明解にすることを目標として研究を進めた。本年度は、分析対象とすべき隕石の検討および入手、いくつかのコンドライト隕石・オーブライト隕石(分化隕石の一種)・Primitiveな分化隕石の希ガス同位体分析およびそれらの一部についての酸素同位体分析、試料溶融用ヒーターの検討と試作を行った。コンドライト隕石に関しては、隕石形成時の希ガス(捕獲起源希ガス)を多量に含む試料の分析を行い、我々がこれまでに分析した同種隕石の中で最も高いAr/Xe・Kr/Xe比を示す結果を得た。この希ガスがある種類のコンドライト隕石においてはより始源的なものであり、熱変性の影響が強まるにつれAr/Xe・Kr/Xe比が(ArやKrの散逸により)低くなっていくことを考察した。またこの成分は試料を希塩酸処理することにより比較的容易に失われることもわかった。オーブライト隕石では、一部の隕石にコンドライト的な希ガス組成を示すものが見られている。今回、ひとつのオーブライト隕石においていくつかの鉱物に分けて酸素同位体分析を行ったところ、オーブライト的酸素同位体組成を示す部分とコンドライト的酸素同位体を示す部分が存在した。これについては、オーブライト母天体表面にコンドライト片が衝突したことより機械的混合が起きたことを示していると考えている(コンドライトからオーブライトへ分化していく過程を見ているのであれば一層興味深いがそうではない)。今後それぞれの部分について鉱物学的調査も行いたい。また、微小試料溶融を行うための真空チャンバーとヒーター部品の準備を進めたので、来年度には実用化したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miura Y.N., Sugiura N., Kiyota K., Nagao K.: "Trapped noble gas component and thermal histories of unequilibrated ordinary chondrites"Meteoritic, Planetary Science. 38. A78 (2003)
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[Publications] Ozima M., Miura Y.N., Podosek F.A.: "Further examination of "Planet-pollution" as a source for the parentless radiogenic noble gases in lunar soils"Meteoritics and Planetary Science. 38. A32 (2003)
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[Publications] Miura Y.N., Nagao K.: "Noble gases in two hot desert eucrites, DHO007 and DHO275"Geochimica et Cosmochimica Acta. 67・18(S1). A296 (2003)
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[Publications] Ozima M., Miura Y.N., Podosek F.A.: "Orphan radiogenic noble gases in lunar breccias : Evidence for planet pollution of the sun?"ICARUS. (accepted). (2004)