2004 Fiscal Year Annual Research Report
非定常非平衡電離プラズマに対する統合的衝突輻射モデルの開発とプラズマ診断の研究
Project/Area Number |
15540479
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
MORE R・M 核融合科学研究所, 連携研究推進センター, 教授 (50321617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆子 核融合科学研究所, 連携研究推進センター, 教授 (20115546)
後藤 基志 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00290916)
季村 峯生 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00281733)
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Keywords | 多価イオン / 酸素イオン / 原子データ / 二電子性再結合過程 / プラズマ分光 |
Research Abstract |
非平衡プラズマにおける多価イオンの統合的スペクトル線モデルを構築するため、スペクトル線強度を計算するための衝突輻射モデルに必要とされる様々な原子データについて検討を行った。 前年度のボロン様酸素イオンに引き続き、本年度は炭素様酸素イオンの二電子性再結合過程について詳細な検討と速度係数の理論計算を行った。ボロン様酸素イオンが電子との衝突によって炭素様酸素イオンへ再結合する二電子性再結合過程を検討するために必要とされる、炭素様酸素イオンの励起状態(束縛状態)と二重励起状態(自動電離レベル)の電子レベル構造を調べ、エネルギー準位、自動電離係数、放射遷移確率を、多配位ハートリーフォック法によるコーワンの原子コード及び相対論的多体摂動理論モデル(RMBPTコード)を用いて計算した。これらの原子データを用い、さらに主量子数の大きな二重励起状態はスケール則を用いて考慮し、炭素様酸素イオンの各励起状態に対する二電子性再結合速度係数を求めた。炭素様酸素イオンの原子レベル構造として、準位の混合が様々な遷移の振る舞いに大きな影響を及ぼすことがわかり、これにより二電子性再結合速度係数も大きくなることがわかった。このような振る舞いは、ベリリウム様酸素イオン、ボロン様酸素イオンに対する二電子性再結合速度係数にも見られ、L殻酸素イオンに共通の性質であることが示唆される。 また、多価イオンに対する様々な過程の原子データについても、低エネルギー衝突による電離断面積、水素分子との衝突による荷電交換反応、非熱平衡プラズマでの輻射過程、高密度プラズマからの輻射過程などに関して検討した。特に10価のXeイオンなど高Z元素イオンの原子データを調べ、スペクトル線や放射損失について検討した。 衝突輻射モデルを用いたスペクトル線強度モデルをプラズマ分光計測により得られたスペクトル線と比較して実験室プラズマの性質を調べた。
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Research Products
(9 results)