2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子サイクロトロン放射測定からの電子温度評価における相対論的効果の影響の克服
Project/Area Number |
15540481
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐藤 正泰 特殊法人日本原子力研究所, 炉心プラズマ研究部, 主任研究員 (80354603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱松 清隆 特殊法人日本原子力研究所, 炉心プラズマ研究部, 主任研究員 (20354574)
諌山 明彦 特殊法人日本原子力研究所, 炉心プラズマ研究部, 研究員 (90354597)
草間 義紀 特殊法人日本原子力研究所, 炉心プラズマ研究部, 主任研究員 (70343902)
森下 一男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60109353)
岩間 尚文 大同工業大学, 情報学部, 教授 (30023253)
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Keywords | 相対論的効果の克服 / 電子サイクロトロン放射(ECE) / トカマク / LHD / 電子温度測定 / 電子密度測定 |
Research Abstract |
トカマクにおける電子サイクロトロン放射(ECE)は通常磁場の弱いトーラスの外側から観測し、電子温度分布を得ている。電子温度が高くなると、相対論的効果により得られる電子温度分布がみかけ上ずれ、そのずれが電子温度、電子密度に依存することが知られている。しかし、電子密度を他の計測データを用いてずれを補正することはECE計測の独立性がなくなることを意味する。電子密度をECE自身で得る方法を確立し、ECE計測による電子温度計測を独立した計測法にすることが今回受託した科学研究費の課題の一つである。 同じ空間位置から放射されるECEを強磁場側、弱磁揚側から両側から観測し、観測した同じ電子温度の放射の周波数は強磁場側、弱磁場側で異なり、この周波数の差が放射率スペクトルの形を反映している。放射率は電子密度に比例するので、この周波数差を測定して電子密度を求める方法を昨年度開発した。JT-60装置を想定し電子温度10keV程度のプラズマについて、数値計算によりこの方法による電子密度の導出を行ない、この方法の制約と誤差の原因について調べた。電子密度と電子温度領域の制約は、光学的厚さが5以上でかつ、3倍高調波の相対論的効果が中心で及ぼさない領域である。電子温度分布が緩やかな場合、誤差が大きくなる傾向があることが分かった。 また、ヘリカル装置における相対論的効果を評価するために、放射輝度を評価するコードを改修した。磁気軸と磁場の最大値が一致する視線の場合について、ECEの相対論的効果を調べ、電子温度が5keV程度で、見かけ上、中心付近(全空間領域の1割程度)でECEによって観測された電子温度が減少する事が分かった。電子温度が高くなると、また、電子温度が低くなると、相対論的効果の影響が大きくなることが分かった。
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Research Products
(2 results)