2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 勇一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90004473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MANZ John ベルリン自由大学, 化学科, 教授
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Keywords | 分子モーター / 光駆動モーター / 分子ローター / キラル分子 / ポンプ-ダンプ法 |
Research Abstract |
光駆動モーターを構築する理論を確立することが最終目的である。これまでキラル分子モーターの回転はピコ秒領域で行われていた。今年は、フェムト秒領域で回転できる駆動方法を理論的に開発することを主目的とした。アルデヒド基がエンジン部位であるキラル分子を取り上げる。この基の内部回転はキラル性から由来する非対称ポテンシャルを持つ。平面偏光紫外部・UV光励起レーザーのポンプーダンプ型の照射によるモーターの駆動、電子励起状態を経由する回転波束生成を考える。 基底状態と電子励起状態のポテンシャルと内部回転座標依存遷移双極子モーメントをabinitio分子軌道法を用いて評価した。アルデヒド基とUVレーザー電場の双極子相互作用により、回転波束を電子励起状態に生成し、この回転波束が電子基底状態にダンプパルスによって移動され回転始める。回転の方向は電子励起状態でつくられた波束の運動方向によって決まる。この方法では数百フェムト秒で制御が可能である。 回転方向の実験的観測方法として時間分解イオン化スペクトルの利用する方法を提案した。以上の結果はアメリカ化学会雑誌J.Phys.Chem.Bに掲載予定である。 高い回転運動量の分子ローターの設計を外国人共同研究者Manz教授グループと行った。IR-UVパルス励起を利用するシスートランス型異性化反応を利用するものであり、新しい駆動方法ではほぼ100^【planck's constant】オーダーの回転角運動量量子数(これまでは10^【planck's constant】)の値を得た。これまでの値を1桁大きいものでほぼ目的とする結果を得た。本研究成果は、国際誌Chem. Phys. Lettersに印刷中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hoki, M.Yamaki, S.Koseki, Y.Fujimura: "Molecular motors driven by laser pulses: Role of molecular chirality and photon helicity"J.Chem.Phys. 118・2. 497-504 (2003)
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[Publications] K.Hoki, M.Yamaki, Y.Fujimura: "Chiral Molecular Motors Driven by a Nonhelical Laser Pulse"Angew.Chem.Int.Ed. 42・26. 3084-3086 (2003)
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[Publications] K.Hoki, M.Yamaki, S.Koseki, Y.Fujimura: "Mechanism of unidirectional motions of chiral molecular motors driven by linearly polarized pulses"J.Chem.Phys.. 119・23. 12393-12398 (2003)
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[Publications] K.Hoki: "Chiral molecular motors ignited by fem to second pumpu-dump laser pulses"J.Chem.Phys.B. (印刷中).
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[Publications] Y.Fujimura, L.Gonzalez, D.Kroner, J.Manz, I.Mehdaoui, B.Schmidt: "Quantum ignition of intramolecular rotation by means of IR + UV laser pulses."Chem.Phys.Lett.. 386・4. 248-253 (2004)
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[Publications] Y.Fujimura: "Quantum Control of Molecular Chirality"Recent Res.Devel.Chem.Phys.. 4. 345-358 (2003)