2003 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄-ヘテロ原子結合を持つ小員性複素環化合物の新しい化学の創出
Project/Area Number |
15550026
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
杉原 儀昭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00272279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 重蔵 埼玉大学, 理学部, 教授 (90092022)
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Keywords | チイラン 1-イミド / チイラン / クロラミン-T / 1,2-チアゼチジン / Stevens転位 / S-アミノチイラニウム塩 / スルホニルヒドロキシルアミン / 1,2-チゼチジニウム塩 |
Research Abstract |
1.チイラン 1-イミドの合成と分解反応 嵩高い置換基が結合したチイラン、2,2'-ビアダマンチリデンスルフィドとsyn-およびanti-2'-アダマンチリデン-9-ベンゾノルボルネニリデンスルフィド(1-3)、とクロラミンTをCH_2Cl_2-CH_3CN(3:1)中で反応させ,新規なチイラン 1-イミド(4-6)を合成・単離した。1の生成反応において、反応溶媒中のCH_3CNの量を減少させることにより副生成物のアルケンの量を減少させることができたが、反応を完結させるのに長時間を要し、CH_3CNがクロラミンTの活性化を促進させることが明らかとなった。4を沸騰CDCl_3中あるいは無溶媒下加熱すると、1とアルケン7の混合物を与えた。5をCD_2Cl_2中室温で10日放置すると対応するアルケン8が37%、2が55%、syn-アジリジン9が8%の収率で得られた。6の同条件下の反応では、8と3が41%と2%の収率で得られ、それらとともに立体化学が反転して生成した2と8が50%と7%の収率で得られた。先に申請者が見いだしたチイラン 1・イミドから1,2-チアゼチジンへの環拡大反応には残念ながら一般性がないことがわかったが、嵩高い置換基で保護すればチイラン 1-イミドが合成単離できることがわかった。 2.S-アミノチイラニウム塩の合成と分解反応 1-3にO-メシチレンスルホニルヒドロキシルアミンをCH_2Cl_2中、低温で反応させ、同温度で減圧下溶媒留去あるいはペンタンを加え結晶化させ、初めてS-アミノチイラニウム塩(10-12)を合成単離した。10はCD_2Cl_2中、-30℃でも徐々に分解し、1とアルケン7の混合物を与えた。12をCDCl_3中室温で分解させると、8と3が84%と12%の収率で得られた。一方、11の場合には、まず1,2-チゼチジニウム塩が定量的に生成し、さらにアジリジニウム塩へと分解した。
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