2004 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性体をめざした新しい含セレンヘテロ環化合物の合成
Project/Area Number |
15550030
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石原 秀晴 岐阜大学, 工学部, 教授 (60021599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
纐纈 守 岐阜大学, 生命科学総合実験センター, 助教授 (50178208)
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Keywords | セレン / セレナゾール / セレナジン / セレノ尿素 / セレナアザジエン / 生物活性体 / インセレノラート / シクロブテン誘導体 |
Research Abstract |
本年度は前年に引き続き、セレナゾールおよびセレナジンに各種置換基を付与するため、我々が合成法を開発した種々のセレン導入試薬を用いて、合成を試み、いくつかの成果を得た。さらに、それらの一部では生物活性も検討した。それらをまとめ、以下に示す。 1.セレナゾール、セレナジン類の新規合成 合成試薬として、我々が簡便な合成法を開発したセレノアミド、セレノ尿素、セレナアザジエン等を原料とし、種々の標的化合物を合成した。セレノ尿素から各種の置換基を付与したセレナゾール、セレナジン類の新規合成法を開発した。また、セレノアミド、セレノ尿素から誘導されるセレナアザジエンからも新しい種々の標的化合物の合成に成功した。また、それらの反応で転移反応を経由する反応など、その反応も詳細に検討した。α位に活性なメチレン基を持つセレノ尿素は通常のセレノ尿素と異なる反応をする。すなわち、α,β-不飽和ケトンとの反応では予想されたセレナジンを与えなく、セレニンを与えることを見い出した。その結果については今年の化学会で報告するが、今後さらに深く検討の予定である。これら合成したセレナゾール、セレナジンについてはその生物活性についても検討し、いくつかの高活性体を見出している。 2.インセレノラートを用いる環状化合物の合成 当初、インセレノラートの反応はジヒドロセレノフェンをターゲットとしていたが、生成物のX線構造解析から、小員環化合物であるシクロブテン誘導体が生成することがわかった。この反応は活性官能基であるヘテロクムレン、クムレンを経由することを明らかにした。その他、インセレノラートを用いた合成によるセレン原子を含む小員環化合物の合成へと展開している。ヘテロクムレンの一つであるイソセレノシアナートの化学についても検討した。
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Research Products
(6 results)