2003 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液中での異常な脱硫-水和反応(強力かつ新規な抗ガン物質の不斉合成に向けて)
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15550031
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
依田 秀実 静岡大学, 工学部, 助教授 (20201072)
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Keywords | 脱硫反応 / カップリング反応 / ヒドロキシル化反応 / 1電子移動反応 / イオウ置換ラクタム / ルイス酸 / 立体選択性 / 天然物合成 |
Research Abstract |
申請者は既にSmI_2を用いた1電子移動反応条件下において、N-Hラクタムとカルボニル化合物とを反応させたところ、極めて高収率で対応する新規なN-Cカップリング生成物が得られることを見い出し、最も簡便な手法によるα-アミログルコシダーゼ阻害剤lentiginosineの全合成を報告している。またごく最近、容易に誘導されるイオウ置換ラクタムを同様の条件下においてカルボニル化合物と反応させたところ、これまでとは全く反対のerythreo-選択性で対応する新規な脱硫-カップリング生成物が得られることも見い出している。ところでこれらとは別に、このイオウ置換ラクタムあるいはアルキル誘導体を水溶液中で様々なLewis酸と処理したところ、極めて興味深い脱硫-ヒドロキシル化反応生成物が、開環生成物を伴わずに高収率かつ位置および立体選択的に得られることを見出した。そこで本報告では、これらの全く新しい知見についてこれまでに明らかになった事柄を整理した。 1)脱硫-カップリング、脱硫-ヒドロキシル化反応に対して、どのような官能基を持つ構造まで対応可能か。新規に開発された脱硫-カップリング反応は芳香族化合物のみ対応可能であり、脂肪族化合物に関してはほとんど進行しなかった。また脱硫-ヒドロキシル化反応は脂肪族をはじめとし、官能基を持つもの、さらには様々な芳香族化合物までの幅広い範囲で利用可能であることが示された。 2)脂肪族、芳香族系化合物の差異、および分子内反応に適用可能か。上記の脱硫-カップリング反応が脂肪族で起こらない理由として考えているのは、1電子移動によって生じたラジカルへの安定度の寄与が共鳴構造を取れないために低いのではないか、と考えている。分子内反応への適用に関しては、環状誘導体を合成して実施した結果、十分対応可能であった。なお、脱硫-ヒドロキシル化反応の差異および適応範囲に関しては、今後検討予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hidemi Yoda: "Novel and Stereoselective Asymmetric Synthesis of an Amino Sugar Analogue, Furanodictine A"Tetrahedron Letters. 45. 1599-1601 (2004)
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[Publications] Hidemi Yoda: "Lewis Acid-promoted Tandem Desulfurization and Hydroxylation of γ-Phenylthio-substituted lactams : Novel Synthetic Strategy of Isoindolobenzazepine Alkaloid, Chilenine"Tetrahedron Letters. 44. 9057-9060 (2003)
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[Publications] Hidemi Yoda: "First Total Synthesis of a New Sesquiterpenoid Natural Product, (±)-3-(2,4-dihydroxybenzoyl)-4,5-dimethyl-5-(4,8-dimethyl-3(E),7(E)-nonadien-1-yl)tetrahydro-2-furanone"Tetrahedron Letters. 44. 1775-1777 (2003)
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[Publications] Hidemi Yoda: "First Total Synthesis of a New Pyrrolizidine Alkaloid, Amphorogynine A"Tetrahedron Letters. 44. 1643-1646 (2003)
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[Publications] Hidemi Yoda: "Novel and Practical Asymmetric Synthesis of an Azetidine Alkaloid, Penaresidin B"Tetrahedron Letters. 44. 977-979 (2003)
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[Publications] Hidemi Yoda: "A New Entry for the Preparation of Substituted Aromatic Carbonyl Compounds Mediated by SmI_2"Synthetic Communications. 33. 1087-1094 (2003)