2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550047
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾関 智二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60214136)
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Keywords | ポリオキソメタレート / 単結晶X線構造解析 / ポリカチオン / ポリタングステン酸 / ポリバナジン酸 |
Research Abstract |
外圏型ポリ酸イオン-遷移金属複合体の新規開拓を目指す過程で、モリブデン置換したデカバナジン酸イオン[Mo_xV_<10-x>O_<28>]^<(6-x)->とCu^<2+>イオンとの複合体の合成を試みたところ、現段階では遷移金属イオンとの複合体を得るには至っていないが、デカバナジン酸イオン[V_<10>O_<28>]^<6->の新規なナトリウム塩Na_<5.5>H_<0.5>V_<10>O_<28>・18H_2Oが得られ、その単結晶X線構造解析を行った。この化合物はデカバナジン酸イオン二分子当たり一つのプロトンが付加するという新しいタイプのデカバナジン酸の酸性塩であるとともに、{[Na_4(H_2O)_<15>]^<4+>}_∞という無限鎖状のポリカチオンが結晶内に見られるという点で類例のない化合物である。 また、ポリ酸イオンと希土類金属イオンとの複合体の新規開拓を目指す過程で、Cs_<7.11>[(Cu^IW_<12>O_<40>)_<0.61>(H_2W_<12>O_<40>)_<0.39>]Cl_<0.5>・12H_2Oという新規化合物が得られ、単結晶X線構造解析を行った。この結晶中では[Cu^IW_<12>O_<40>]^<7->と[H_2W_<12>O_<40>]^<6->という二種類の電荷の異なるポリアニオンが同じ位置にディスオーダーして存在していた。また、結晶中には[Cs_<14.22>(H_2O)_6Cl]^<13.22+>という新規なLindqvist型のポリカチオンがみられ、このポリカチオンとKeggin型ポリアニオンとが蛍石型のパッキングにより立方晶の構造を形成していることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)