2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属-金属結合で連結した貴金属ポルフィリン-クラスター複合化合物の開発
Project/Area Number |
15550054
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
弓削 秀隆 北里大学, 理学部, 講師 (10276173)
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Keywords | ポルフィリン / トリフェニルホスフィン / ロジウム-金結合 / 結晶構造 / オスミウム |
Research Abstract |
本研究ではアニオン性金属ポルフィリンにAuPPh_3を反応させ,金と異種金属間に結合をもつ花合物を合成,その性質を調べた。 (1)ロジウム(1)ポルフィリンK[Rh(por)]とAuClPPh_3との反応 不活性雰囲気下THF溶液にて合成を行った。反応温度が高いとPPh_3の解離が起こり,ホスフィン錯体が生成する。そのため氷冷下反応を行った。エタノール抽出により[(por)RhAuPPh_3]が単離できた。この化合物は結晶構造解析により構造を確認できた。Rh-Au結合距離は2.5264(4)Åであり,共有結合半径から単結合であると考えられる。 CH_2Cl_2,CHCl_3,ベンゼン,トルエンによく溶け,エタノールにはわずかに溶けるが,ヘキサン,アセトニトリル,メタノールにはほとんど溶けなかった。空気中CHCl_3溶液では原料のポルフィリン錯体に,PPh_3を含むベンゼン溶液ではPPh_3錯体に分解した。Ph_2Sを添加すると数日かかって分解したが,分解生成物の特定はできなかった。HC≡CPhやシクロオクテンの存在下では変化しない。トルエン溶液を100℃に加熱すると18時間以内に完全に分解,金属金とポルフィリンを含む化合物に分解したが,結晶を10^<-3>Torrで180℃,5時間加熱しても一部が分解したのみであり,金属金の生成は確認できなかった。 またホスフィン置換体をPMe_3,P(OMe)_3,PEt_3で合成した。 (2)オスミウム(0)ポルフィリンK_2[Os(por)]を原料とする金属-金属結合形成の試み (1)同様,K_2[Os(por)]にAuClPPh_3,Au(NO_3)PPh_3,SnPh_3Cl, SnMe_3Clを反応させた。特に後3者の場合,反応溶液の色調は暗緑色から暗赤色に変化,沈殿物が生成したが,生成物の溶解度は低く,NMRなどの分光測定によって金属-金属結合の形成を確認することはできなかった。
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Research Products
(1 results)